謝罪マニュアルの裏側(NEJM記事から読み解く)
2007年 06月 28日
アメリカでちょっと話題になると無批判に受け入れて悦にいる人たちがいるのにびっくりする。決して、このマニュアルは決して科学的な事象により作られたものでなく、ヒラリークリントンやオバマなどが政治的な意図を含めかれらの主義主張が前面の文書に過ぎないのである。これは政治家や一部営利主義者たちにより、日本では悪用され、医療コストや訴訟コストを増大させるあうとか生むにつながるかもしれないのである。・・・十分注意する必要のあるマニュアルなのである。そのことが今週のNEJMにも書かれている。
今、日本は、国家ぐるみで謝罪を学習する時期なのかもしれない
米下院慰安婦決議 批判を直視し誠実な対応を・・・この記事をみて、日本人は様々なことを思うはずである。
第二次大戦時の従軍慰安婦問題をめぐり米下院外交委員会が、日本政府に公式謝罪などを求める決議案を可決した。
決議は「慰安婦制度は日本政府による強制的な売春」「現在の日本には問題を軽視しようとする教科書や世論もある」と指摘したうえで「公式声明で首相が謝罪すれば今後、問題が再燃するのを防げるだろう」などとしている。コラム社説2007年06月28日(木)付 愛媛新聞
同様に、謝罪マニュアルに対して、医療関係者も様々なことを思う・・・
Disclosing Harmful Medical Errors to Patients
NEJM Volume 356:2713-2719 June 28, 2007
6カ国を超える国々の研究で有害的な医療過誤(harmful medical errors)が高頻度であるという。多くの医療機関も患者も医療サービスが潜在的に危険性を有するものであり、その人々・施設の努力に関わらず、医療過誤というのは生じる。医療により障害が生じたとき迅速にかんじゃはその情報を与えられることを、特にそれが状態を悪化したときに、期待するのである。
しかし、その期待と実際の医療のdivideがひろがっているのである。
このギャップをうめようと、米国や他国では規則、病院、許認可当局、議員などがスタンダードやプログラム設立に動いている。米国では医療提供側のスタンダード設立をめざす当局でありNAF(National Quality Forum)が主導権を握っている。
司法の問題として、告訴リスクへの心配をを打ち消すための条項を含む法が州によって出現してきている。
Hillary Rodham Clinton (D-NY) と Barack Obama (D-IL)提出のNational Medical Error Disclosure and Compensation (MEDiC) Act (2005)(http://www.clinton.senate.gov/documents/092805sectionbysection.pdf)が目立つ
この法案は画期的で、患者の安全と医療責任システムの双子の問題をなげかけたもので、情報開示を促すものであった。法案は、患者への医療過誤の情報開示、謝罪、早期補償、包括的解析をうながすものであった。しかし、議会はこの法案(MEDiC) Actを通過させなかった。
しかし、類似法案が今後現れる可能性がある。
各州政府はこの情報開示法の範囲とその量を広げた法律を展開する方向にある。ネバダ、フロリダ、ニュージャージー、ペンシルベニア、オレゴン、バーモントとカリフォルニアの7つの州が、患者へ予測不能な重大なアウトカムを情報開示するよう施設に命令した。
ペンシルベニアの2002年の法律が最初であり、7日以内に患者に通知するよう要求するものである。告訴の危険性を打ち消すため、この法律では事故の責任の証拠として用いることを禁止する条項を含むものであった。命令に対する不服従に対する制裁に関しても行っているのはペンシルバニアだけである。
公開命令法は、提唱者が言うような、訴訟を沈静化する働きはないだろうし、かえって、火をつける働きとなるだろう。告訴のコストと情報公開の利益のバランスの上で考慮されるべき。
人間というのは、良くも悪くも、ゲーム理論のように、意志決定を行う・・・パイロットのように面積が働かなければ、disclosureも絵に描いた餅である。・・・一番わかってないのは行政・司法なのではなかろうか?
by internalmedicine | 2007-06-28 10:47 | 医療一般