SSRIと自殺
2007年 06月 28日
抗うつ剤:「パキシル」服用の自殺者増加 副作用の疑い
抗うつ剤「パキシル」(一般名・塩酸パロキセチン水和物)の副作用が疑われる自殺者が05、06年度と2年連続で2ケタに増えたことが厚生労働省などの調べで分かった。パキシルはうつ病やパニック障害などに有効だが、若い人を中心に自殺行動を高めるケースがあり、添付文書にはすでに警告や注意が明記されている。厚労省は医療関係者に「患者の状態の変化をよく観察し、薬の減量など適切な処置を」と呼びかけている。毎日新聞 2007年6月28日 3時00分
この問題・・・SSRIが自殺の危険性をたかめるという誤った認識?で取り上げたことがある。現実のデータを上げずに、専門家の意見として、直感的にSSRIと自殺の関係を否定する軽薄なコメントとしてとりあげた。
当初、精神科の一部にはかなりこの副作用に関して抵抗があったことが浮かばれる。
国際的にもそうだったようで、SSRIと自殺 BMJ読者欄からにも多くの否定的見解が書かれていた。
だが、次第に、自殺リスクの層別化が進み、抗うつ薬の警告対象年齢拡大(米国) などの結果として出てきている。
日本人は薬剤に対して警戒心が強いようで、ひとりでも不具合が出るならその薬は市場から撤退せよ!という極論が跋扈する異常な市場なのである。
ところで、“厚労省は医療関係者に「患者の状態の変化をよく観察し、薬の減量など適切な処置を」”という一文は科学的根拠があるのだろうか?・・・要するに、自殺とSSRIの用量依存関係があるのだろうか?・・・ちょっと宿題にと!
心理療法にせよ、薬物療法にせよ、うつ→正常化 というmoodの変容そのものが、自殺企図へ影響を及ぼす可能性がある・・・と考えるのだが・・・
by internalmedicine | 2007-06-28 11:45 | 運動系