肺癌と血液型:O型の予後悪く、アルコールに影響されやすい。A型はより喫煙と・・・

血液型と性格に関してはさまざまなところで議論を読んでいる。 『発掘!あるある大事典』でもこの問題が取りざたされたが、結局、その番組内容の割に処分されていない。
BROなどの放送局自体に自律機能がないという証明である。権威ある第三者機関による放送内容チェックが必要なのである。公共の電波を利用して利益を得ている割には、自らには優しすぎる放送業界。



ただ、血液型と疾患の問題が科学的にすべて否定されているわけではない。


Norwalkウィルスは血液型A型の場合感染症を受けやすいというのが多くのニュースで取りざたされていた( J Virol. 2003 Jan;77(1):405-15.)。H.pylori感染から胃癌と血液型A型との関係も考察されている(Dig Liver Dis. 2006 Nov;38(11):829-33. Epub 2006 Aug 22.)。



肺癌のリスクに炎症や遺伝的な感受性要因が関係ある可能性があり、ABO表現型に炎症性反応が関係しているという報告もある。ライフスタイルと職業的要因と肺癌死亡リスクの仮説はABO表現型に依存する可能性があるという仮説を検証


結論から言えば、血液型と肺癌ではO型が死亡率が高く、リスク要因としては、O型はアルコール、A型はたばことより関係が深い。

ABO phenotypes and inflammation-related predictors of lung cancer mortality: the Copenhagen Male Study – a 16-year follow-up
Eur Respir J 2007; 30:1299-1306

53-74歳の3346名
16年間で170名(5.1%)が肺癌で死亡
O型:84(5.9%)
A型:70(4.9%)
B/AB型:16(3.2%)


多変量解析後、3つの要因のハザード比は
O型:2.31
A型:2.08
B/AB型:1.67



タバコ累積消費量、職業的粉塵性塩分長期摂取、高脂肪摂取、アルコール摂取は有意にO型の肺癌死亡リスク推定因子となった。
男性非アルコール摂取者に対して、1-10ワイン摂取・週、10超ワイン摂取・週は1.65、2.02

A型では、累積タバコ消費のみが肺癌死亡リスクと相関

by internalmedicine | 2007-07-02 08:47 | 呼吸器系  

<< 歯科医の癌死亡と癌頻度 医者の皆さん、中途半端な聴診で... >>