喘息と喫煙の関係(禁煙と喘息寛解、受動喫煙と遺伝子感受性)


前向き長軸検査にて、禁煙により、喘息寛解しやすいことが改めて判明。そして、受動喫煙による喘息悪化要因はβ2アドレナリン受容体遺伝子表現型が関与しているという報告

Remission of asthma: a prospective longitudinal study from northern Europe (RHINE study)
Eur Respir J 2007; 30:62-65

年齢、性、喘息症状、アレルギー性鼻炎、血縁状況に関連した、一般住民サンプルにおける成人喘息の寛解に関する調査

北欧のEuropean Community Respiratory Health Survey からのランダム住民サンプルのフォローアップ(1999–2001) 、喘息と報告した1,153 名 (26–53 歳)
寛解は2年連続の喘息症状無しで治療無しと定義

平均寛解率:1000人年あたり 20.2

性別で相違なし、女性・男性では寛解率1000人年あたり それぞれ 21.7、17.8

観察期間中禁煙により、寛解率増加

ベースに喘息症状がない場合特に寛解率が高い

Cox回帰モデルで、喫煙経験者は寛解率増加と関連smoking (HR 1.65, 95% CI 1.01–2.71) し、ベースラインで喘息症状があるヒトは寛解率が少ない(HR 0.7, 95% CI 0.40–0.90)




長軸コホートの横断調査で、受動喫煙とβ2アドレナリン受容体polymorphismと肺機能・eNOの関係
ß2-Adrenoceptor polymorphisms and asthma phenotypes: interactions with passive smoking
Eur Respir J 2007; 30:48-55
受動喫煙に対してArg16(少なくともひとつのArg 対立遺伝子:alleleを有する場合)は、Gly16 同型接合体:homozygotesより補正平均FEV1(2.19 versus 2.38 L)、FVC低下 (2.43 versus 2.64 L) を示す。

Gln27(少なくとも一つのGln 対立遺伝子を有する場合)も、Glu27同型接合体より補正FEV1低下 (2.24 versus 2.39 L). をしめす

Arg16もしくはGln27を有する場合は、Gly16同型接合体やGlu27同型接合体より人口動態補正平均eNO値より低値を示す



喫煙者&JT&国に対して、非喫煙喘息患者は損害賠償請求しても良いと思う・・・特に遺伝子表現型を調査し感受性のある人は・・・

by internalmedicine | 2007-07-04 08:32 | 呼吸器系  

<< CB1 antagonistで... 【システミックレビュー】体重減... >>