後発品アンケートからみたジェネリックの問題点
2007年 07月 04日
(第106回中央社会保険医療協議会総会資料(平成19年6月27日開催)
まず、医師編
※ 日本医師会はホームページで調査(今頃ホームページなんて言葉を使うこと自体がもうアホというか・・・なんというか・・・、こんなのが統計になるはずもない)
◆ 品質問題あり 53.8% vs なし 46.2%
・ 剤型の問題(破損変色、非溶解)、溶解度・安定性、包装不良、ごみ混入、味覚の問題
◆ 効果に問題あり 68.8% vs なし 31.2%
・後発品目個別指定(106回答中55):特定の問題薬剤の存在示唆、効果のなさを医師側実感(106回答中25)、患者側指摘(106回答中22)
◆ 副作用に問題あり 44.8% vs なし 55.2%
・ 後発品目個別指定(47回答中30)
◆ 安定供給に問題あり 68.5% vs なし 31.5%
・ 後発品一般の問題(採算性の問題ですぐ製造中止になる、発注から納品まで時間がかかる、在庫がない、小包装がない)
◆ 情報提供に問題があり 81.9% vs なし 18.1%
・ 後発品一般の問題(MRの訪問自体がない、勉強不足・情報不足)
・ 「先発メーカーに聞いて欲しい」など情報が先発メーカー頼み
・ 個別銘柄問題(104件中5件)
ゴミ混入などという・・・ニュースになるような事例が放置されているのである。
特定の薬剤に関して、品質、効果、安定供給、副作用、情報提供に関して問題が指摘されている。しかし、後発メーカーへは医療の現場からフィードバックが行きにくいのが現状である。
先発や他商品であれば、市場から駆逐されるべき薬剤が、後発品特有の、風通しの悪さ、故に市場に残存しているのである。
後発品に関して後発メーカーも情報収集・提示すべきではないのか?できないのなら、市場から撤退していただくか、後発メーカー全体で情報センターなど作り、苦情処理を一括して行う仕組みをつくるべき。
わたしは、日テレの「イマイさん」のように後発メーカーに電話をかけて、架空請求さながらのいい加減な電話応対を世間にさらそう・・・・という計画を(略・・・)
後発品を!・・・というのはCM媒体の力が大きいことがこのアンケートでも判明した。
変更理由の7割が、あの“成分は一緒”CMで購入行動が変わったのである。
調剤編
◆ 「後発医薬品変更可」処方箋主体は診療科毎にかなり異なる。内科・整形は普及
・ 小児科などは味にうるさいお客さんが多いから、製薬メーカーにこだわるのだろうか?
・ 内科の後発可がぬきんでてるのは意外だった・・・
◆ 後発可と書かれてるときは、調剤は8割5分後発に変える
◆ オレンジブックや科学的根拠を採用基準にしたが、次第に入手性・安定供給・包装規格など現実的選択に!
・ 本来の調剤薬局・薬剤師の役割はオレンジブックや科学的根拠のよる処方箋薬剤変更だととおもうのだが・・・
・ 逆に言えば、後発品は入手性・安定供給・包装規格に問題有りということである。
・ メーカーの情報提供、規模、知名度、薬剤師会からの情報を頼らなくなってきている。調剤薬局や薬剤師の社会的な信頼性に疑念が生じるのではないだろうか?
・ 薬価差は10%前後だが・・・ホントに真実書いたの?
◆ 備蓄やデスストックが増えて困ってるってのが調剤の悩み
・ 先発後発両方そろえなければならないからってことか?
調剤薬局側としては、医師の処方権を縮小し、備蓄やデスストックを減らす方向の圧力としてこのアンケートを利用しているようだ。このアンケートから見て取れるのは当初の高尚な後発品の問題点や利点を考える薬剤師本来もつ積極的態度から、現実的な薬剤の入手方法にその選別が移行しており、この点が医師側からみれば、非常に危険な流れと言わざる得ない。
ref.)
薬剤師の存在に疑問を呈する論文2つ
by internalmedicine | 2007-07-04 15:28 | 医療一般