病院ランキングはあてになるのか? 急性心筋梗塞死亡率に基づく評価

日本でも病院ランキングなるものがはやっているが果たして信用できるものなのか?
一つのアウトカムである死亡率(比)がはっきり出やすい急性心筋梗塞で、ランキングなるものの特性を調べている興味ある報告。


U.S. News & World Report ("America's Best Hospitals") でランキングに入っている病院とランキングに入ってない施設を比較。

この種の人気投票は、雑誌によるランク入り病院がランク外病院と比べ標準化死亡比が低いかは不明だったが、これで明らかにしようとし、50のランク入り病院13662名と3813のランク外病院254907名を比較したもの。

"America's Best Hospitals" in the Treatment of Acute Myocardial Infarction
Arch Intern Med. 2007;167:1345-1351.

メディケアによるデータにもとづき階層化回帰モデルに従い、急性心筋梗塞リスク30日標準化死亡比(RSMRs)を比較したところ、ランキングに入っている病院は有意にランキングに入ってない病院より死亡率が少ない (16.0% vs 17.9%).

RSMRの範囲はランク内、ランク外で11.4%-20.0% vs 13.1%-23.3%であった。

RSMR四分位分布で35のランクイン病院(70%)は最も低いRSMRs、最良四分位で、11(22%)は中位分位(第2・3四分位)で、4(8%)が最も高いRSMR、最低四分位であった。
すなわち、ランキングされた病院はリスク標準化死亡比に基づく死亡率最良4分位にほとんど含まれるが、1/3程度がこの中に入らないのである。

SMRが1未満(95%信頼区間上限を1と定義)はランクイン11病院(22%)で、ランク外は28病院(0.73%)であり、実数から言えば、ランク外の方がランク内より多いこととなる。

U.S. News&World Reportランキングは急性心筋梗塞治療に優れたパフォーマンスをしめす施設を同定するのには役立つが、より多くの非ランキング病院も同様のパフォーマンスを有することも忘れてはならない。






ランキング入りした病院の方が総じて、生存率がよい。だが、最もよいところはランキング外に多い可能性がある・・・まぁ・・・そんなものだろう

by internalmedicine | 2007-07-10 09:01 | 医療一般  

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