セレニウムは糖尿病予防どころか糖尿病を増やす

代替医療とか叫ばれ、これを否定する医者は徹底的に排除されていた時代があったが、次第に、さまざまなサプリメントの化けの皮がはがれていく・・・

Effects of Long-Term Selenium Supplementation on the Incidence of Type 2 Diabetes
Annals of Internal Medicine 21 Aug 2007 Vol 147 (4)

セレニウムサプリメントの２型糖尿病頻度への影響を検討
ランダム化二重盲験プラセボ対照の長期効果の検討
２型糖尿病を有さない１２０２名の皮膚科クリニック受診患者
２００μg/d or プラセボ

７．７（ＳＤ　２．７）年フォローアップ、セレニウム摂取者５８名、プラセボ３９名２型糖尿病発症
（人年比較：12.6 /１０００人年 vs. 8.4/　1000人年; hazard ratio 1.55 [95% CI, 1.03 ～ 2.33]). ）

用量反応関係は血中濃度において確認されたl (hazard ratio, 2.70 [CI, 1.30 ～ 5.61])

動脈硬化に関して・・・予防効果認めず
Am J Epidemiol. 2006 Apr 15;163(8):694-9. Epub 2006 Feb 22.


サプリメント屋を喜ばせた治験
↓
セレニウム治療は基底細胞・扁平上皮細胞への予防効果はなかったが、セカンダリエンドポイントでいくつかの癌部位によっては頻度・死亡率を減少させたという多施設二重盲験の結果

Effects of selenium supplementation for cancer prevention in patients with carcinoma of the skin. A randomized controlled trial. Nutritional Prevention of Cancer Study Group.
JAMA. 1996 Dec 25;276(24):1957-63.

セレニウムサプリメントは７．６年フォローアップ・心血管エンドポイントと有意な相関なし
Effects of Selenium Supplementation on Cardiovascular Disease Incidence and Mortality: Secondary Analyses in a Randomized Clinical Trial
American Journal of Epidemiology 2006 163(8):694-69

・　全心血管疾患：: hazard ratio (HR) = 1.03, 95% CI: 0.78, 1.37;
・　心筋梗塞： HR = 0.94, 95% CI: 0.61, 1.44
・　卒中： HR = 1.02, 95% CI: 0.63, 1.65

・・・と必ずしも効果が確認されているわけではないし、一部悪化アウトカムも認める。