イギリスの診療報酬システムのパフォーマンスは改善している
2007年 07月 12日
イギリス医療施策をズタボロにしたサッチャー、その後それを整えたのはブレア政権であった。サッチャー後の後始末をしたブレアこそ、日本の次政権が模とすべき対象なのである。
ref. 英国医師の収入・・・英国医療荒廃後の経緯
自民党の、少なくとも小泉の医療施策は、このサッチャーイズムを模倣したものであるといえる。今の自民党政権はこのサッチャーイズムの継続であるとすれば、果たして日医などがこれを支える意義などあるのだろうか・・・末端会員以下の私などなにもいう資格はないのだが、経団連主導型ともいえる厚生行政を続け、何の根拠のない自らの反省はしない官僚機構主体の厚生省、そして、まじめに地域医療を行っている医者を司法上の不備のため逮捕に至らしめた・・・そういったものはうんざりだという気分である。
相変わらず、医療の電子化にしろ、医療の質改善にせよ・・・口は多いに出すが、金は出さず規制強化、規制強化のために官僚公務員の仕事を増やすのみ・・・これってなんて利権!
欧米の行政における合理的思想というのは底堅いものがある・・・Quality評価をおこなっているのである。日本のような表面的なごまかしとは違う。
2004年、イギリスは32億ドルを高品質ケアに対して拠出した。長軸的研究により、慢性疾患に対するケアの質が改善したことを示す論文が公表された。
Pay-for-Performance Programs in Family Practices in the United Kingdom
NEJM Volume 355:375-384 July 27, 2006 Number 4
イギリスのpay-for-performance programによるQuality Idicators
たとえば、喘息なら6つの指標にて、事前15ヶ月の喘息比率、癌では診断確定6ヶ月以内の癌患者のレビューで、サポートの必要性や二次医療機関とのcordination、COPDではスパイロメトリーや可逆性試験で診断された患者の比率、冠動脈疾患では血圧150/90以下の患者比率、糖尿病では血圧145/85以下の患者比率などで評価したもの
サッチャーのような経済至上主義を医療界に導入して医療に対して及ぼしたツケ・・・それをイギリスは克服しつつあるように思える。日本はいまだにサッチャーの幻影を追っているように思える。
by internalmedicine | 2007-07-12 08:52 | くそ役人