糖尿病性神経障害

新しい薬が効くとは限らない・・・だが、薬価はどんどん下げられ、製薬会社の商品へのモティベーションも下がる一方だろう。新薬を開発し、売らなければ、経営がおぼつかなくなる・・・インセンティブは古い世代の薬剤に向かなくなる。世の流れなのだろうが・・・

医師たちは新薬が必ずしも良い薬ではないことを経験則から知っている。この有痛性糖尿病性神経障害もそうであろう。有痛性神経障害の対症療法として、“神経末端におけるノルエピネフリン再取り込み抑制作用も期待できる三環系抗うつ薬、そしてカルバマゼピン,ガバペンチン(ガバペンチンはわが国では未承認)などの抗痙攣薬)が有効とされてきた。

Editorial( BMJ 2007;335:57-58 (14 July) )によれば、糖尿病性末梢神経障害は30-50%にも及ぶ病態で、患者のQOLに影響を及ぼす。疼痛性の神経障害は、16-26%で、うち80%が重度の疼痛を伴うという報告がある。患者・医者関係に影響を与えることもある。


内容をみてもtraditional anticonvulsant(旧世代抗痙攣薬)が具体的に何をさすのかがよくわからなかった。Etitorialの方に記載があり、 lamotrigine、 sodium valproate、 carbamazepineとのこと

論文中の対象抗痙攣薬
sodium valproate(商品名:エピレナート、セレニカ、デパケン、ハイセレニン、バレリン )・ gabapentin(ガバペンチン、商品名:ガバペン錠)
・ lamotrigine(ラモトリギン )
・ carbamazepine(商品名:テグレトール)・ pregabalin(Pfizer社 Lyrica 線維筋痛の疼痛など )
・ oxcarbazepine(トリレプタルTrileptal -Novartis;日本ではKIN-493[キッセイ、ノバルティス]が糖尿病性疼痛の適応でP2)



Effects of treatments for symptoms of painful diabetic neuropathy: systematic review
BMJ 2007;335:87 (14 July)

25の報告で、抗痙攣薬 (n=1270)、 抗うつ薬 (94)、 オピオイド (329)、 イオンチャンネル遮断薬 (173)、、N-methyl-D-asparate拮抗剤(14)、duloxetine(805)、capsaicin(277)、isosobide dinitrate spray(22)

50%疼痛軽減オッズ比
旧世代抗痙攣薬:5.33 (95% CI 1.77 ~ 16.02)


新世代の抗痙攣薬:3.25 (2.27 ~4.66)



三環系抗うつ薬:22.24 (5.83 ~ 84.75)



副作用イベントに関わるオッズ比:
旧世代抗痙攣薬:1.51 (0.33 ~ 6.96)
新世代の抗痙攣薬:2.98 (1.75 ~ 5.07)
三環系抗うつ薬:2.32 (0.59 ~ 9.69)

イオンチャンネル遮断薬は十分な2分割データがない



眠気・注意力低下などの精神神経系の症状出現と口渇・排尿排便障害・眼圧亢進などの抗コリン作用の抗うつ薬の副作用を考えれば、新薬に期待するのも自然だとおもう。

by internalmedicine | 2007-07-13 09:24 | 動脈硬化/循環器

 

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