心臓CT冠動脈造影による放射線被曝ガンリスク
2007年 07月 18日
FDA(What are the Radiation Risks from CT?)の記載では、CT検査の実効線量10mSv(mSv; X線の場合1 mSv=1 mGy)の場合、2000回に約1回致死的癌発生の確率で、米国国民においては致死的癌の自然発生頻度の確率を5人に一人増加に相当。放射線関連の癌リスク軽度増加だが、CT検診数の増大による影響は今、低線量放射線による健康への影響とともに、重大な関心事となっている。
MSCTによる非侵襲的冠動脈造影に関しては、JAMA.(2005;293:2471-2478. )では“有意病変(>50%狭搾)、セグメントベースの感度・特異度、PPV,NPVはそれぞれ、95%, 98%, 87%, 99%”では肯定的報告。
その後、2006年のAHA Scientific Statement (Circulation. 2006;114:1761-1791)では、放射線量に関して2.9-18mSv(表)という報告。冠動脈狭窄に対する感度・特異度に関してMDCTは感度は72%-98%、特異度は86%~98%(参考)と比較的ばらつきがある報告がなされている。
はたして、放射線被曝リスクを考えた上での、インフォームド・コンセントがなされた上でのMSCTなのか・・・興味あるところである。今回のJAMA報告で一定のリスクを数をもって示せることとなった。
Estimating Risk of Cancer Associated With Radiation Exposure From 64-Slice Computed Tomography Coronary Angiography
JAMA. 2007;298:317-323.
肺 42-91 mSV、女性乳ガン50-80 mSvの臓器への照射量
標準化心臓スキャンによる推定ガンリスクは20歳女性において1/143、80歳男性では1/3261
推計electrocardiographically controlled tube current modulation (ECTCM)により、それぞれ1/210、1/5017とリスク減少した。
ECTMによる推定ガンリスクは60歳女性、60歳男性で、1/715、1/1911
心臓・大動脈の組み合わせにてLARsはより高くなり、20歳女性で1/114
肺ガンのLARs、特に若年女性乳ガンが高い
by internalmedicine | 2007-07-18 07:35 | 動脈硬化/循環器