無症候性脳梗塞
2007年 07月 24日
Lancet Neurology Volume 6, Issue 7, July 2007, Pages 611-619にて、無症候性脳梗塞を取り上げている。
画像技術の発達(利用性、質の改善)により多くの患者で画像上脳梗塞所見を呈する一過性虚血発作や卒中既往を欠く患者が多く見いだされるようになった。その意義は不明であったが、MRI検知した無症候性脳梗塞の頻度、原因、その後の予後に関する報告
NEJM( N Engl J Med 348:1215-1222 March 27 ,2003 )の平均3.6年フォローアップにて認知症リスク約2倍(ハザード比 2.26 95%CI 1.09-4.70) と 全般的認知機能低下と相関、運動パフォーマンス、非視床部位の梗塞所見と相関することなどの報告
問題はこの無症候性脳梗塞を検診し、治療する方法について、その予後改善に向かうよう、研究が必要とのこと
脳卒中治療ガイドライン2004 ( pdf )では、
無症候性脳梗塞の予防に、高血圧をはじめとする危険因子、関連病態(心房細動、内頸動脈高度狭窄など)の管理が推奨されるが、それにより症候性脳梗塞の発症が予防できるか否かには十分な科学的根拠に乏しいと、果たして積極的にMRI検査でこの病態を見いだす必要があるのか?未破裂性脳動脈瘤の検知と同様、戦略無き脳ドックが行われている現状を再び嘆く
久山町の無症候性脳梗塞の剖検による報告( Stroke. 1995;26:380-385. ):12.9%。この報告では、心房細動のオッズ比は高いが有意差がなかった、逆に、拡張期血圧はオッズ比 1.34だが、有意差があった。
無症候性脳梗塞に対して薬物臨床治験が行われているようだ・・・
Angiotensin II Receptor Blockers (ARB) and ACE Inhibitors (ACEI) on Silent Brain Infarction and Cognitive Decline
ところで、CSPS(Cilostazol Stroke Prevention Study) : Cilostazol Stroke Prevention Study: A Placebo-Controlled Double-Blind Trial for Secondary Prevention of Cerebral Infarction. Reference: Journal of Stroke and Cerebrovascular Diseases 2000;9(4):147-57. では 有症状性ラクナに対して、梗塞再発NNTは約3年で20という成績ははたして無症候性脳梗塞に対してなんらかの示唆を与えるものなのだろうか?
by internalmedicine | 2007-07-24 09:49 | 運動系
