老人診療のおけるヘルス・リテラシー

この知力と健康アウトカムの関係ってのは、他民族混沌としている米国での注目事項のようである。

定義として、“ a constellation of skills that constitute the ability to perform basic reading and numerical tasks for functioning in the health care environment and acting on health care information ”(JAMA 1999;281:552-7.)
Health Literacyは、「健康知力検査」と訳しているものがあり、原著をみると英語に不得手の外国人を念頭においているようである。

以下の指標が通常使われているとのこと

Wide Range Achievement Test (WRAT) reading subtest.
Rapid Estimate of Adult Literacy in Medicine (REALM).
Test of Functional Health Literacy in Adults (TOFHLA).
読解力50-item、数学能力17-itemで22分間の試験
.



老人診療においてこのhealth literacyを考慮すべき事態が急増している。

Health Literacy and Mortality Among Elderly Persons
Arch Intern Med. 2007;167:1503-1509.
health literacyが低い人は知識が少なく、慢性疾患の自己管理がなされず、予防サービス利用が少ない、そして健康を害するという横断研究の結果が報告されている。

アメリカ4大都市の3260名のメディケア利用者の前向き研究

health literacyにおいて、適切(n=2094)、境界(n=366)、不適切(n=800)に分け、祖死亡率は18.9%、28.7%、39.4%(P<.001)

人口動態指標、社会経済状態、ベースラインの健康状態で補正後、全原因死亡率は、health literacy不適切区分、境界区分で、それぞれ、1.52(95% CI 1.26-1.83)、1.13(95%CI 0.90-1.41)

卒業学歴数は2変数解析で軽度死亡率と相関したが、多変量解析モデルでは有意でなかった。不適切区分のhealth literacy患者は心血管リスクが高い。しかし、癌に関しては相ではなかった。



読解流暢性で測定した、health literacyに問題がある場合は、全原因死亡率や心血管死亡の独立した予後因子となり得る。老人においては、社会経済状態と死亡に関す相関を調べると教育より読解流暢性が強力な変数であった。



教育レベルより、その時点の読解能力が、慢性疾患管理において重要であるようだ

by internalmedicine | 2007-07-24 11:41 | 医療一般  

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