運動機能の低下はCOPD急性悪化になりやすい : 早期呼吸リハビリテーションの勧め
2007年 08月 01日
昨年やっとのこさ、健保適用下となった呼吸リハビリテーションは、日本では、そのプロトタイプの不足している印象がある。 このままではせっかく健保適用となり、多くの施設が届け出をしているこのリハビリテーションが十分生かされないままということにならないよう希望したい。
COPDリハビリテーションプログラムを受けている時に、低運動耐用能の低い患者はCODP急性悪化を経験しやすい
今回の研究では、53名のCOPD患者(平均68歳)を6ヶ月間再評価を繰り返し、運動耐用能としては6分間歩行距離試験を行った。
34名で急性悪化を経験し、多くの急性悪化(27名、79%)は軽度であった。
急性悪化約4週間で、運動能力の有意な低下を認めた
急性悪化を示す患者は重症で、入院もしくは緊急受診必要で、急性悪化軽症の患者よりそのパフォーマンスが著しく低下している。
逆に、フォローアップ中安定であった患者は急性悪化の経験の無い患者は、リハビリテーション完遂後3,6ヶ月後も運動耐用能変化無しであった。
この研究にて、急性悪化患者で、ベースラインに比べて、慢性呼吸状態のアンケート:疲労、情緒的機能、技能に関しても悪化がみられた。
ベースラインの運動耐用能の低下は急性悪化のより軽症か、重症かの予後推定となり得る。
ガイドラインに従った治療を受けてない患者の多くがみられたことに驚いている。すなわち、抗生剤をほぼすべてで処方されていたが、半数以下しか経口ステロイドを服用してなかったことに驚いている。
より早期の呼吸リハビリテーションが、COPD患者アプローチとしてuniversalに考慮されるべきであり、そのことで急性悪化への予防、入院率減少に役立つと述べている
Chest 2007;132:127-134.
リハビリテーションというのは、論文などではrehab.と略されることが多いようだ。リハビリっていう日本独特の略し方はやっぱり変・・・
以前、手術をオペと略していたことを某偉い先生が批判して、"Op Room"にしろ!と怒鳴っているのをみたことがあるが・・・なんかあの世代に近づいてきたのか・・・どうも気に障るようになってきた。
もう一つ不思議なのは、英語では“pulmonary rehabiltation”という言葉・・・日本語訳すると呼吸リハビリテーションに変化する
“respiratory rehabilitation”
google : 約 2,090,000 件
google scholar : 約 47,500 件
PubMed : 4342
“pulmonary rehabilityation”
google : 約 1,990,000 件
google scholar : 約 42,300 件
PubMed : 4728
・・・・と検索ではほぼ互角、ところが“呼吸リハビリテーション”と“肺リハビリテーション”を比較すると、圧倒的に呼吸リハビリテーションが使われている。
呼吸リハビリテーションに関するステートメント ( 日本呼吸管理学会/日本呼吸器学会 ) などの存在も大きいのだろう
by internalmedicine | 2007-08-01 15:01 | 呼吸器系