テストステロン・サプリメントによる腎障害・血圧悪化影響(動物実験モデル)
2007年 08月 09日
アンチエージング:DHEAやテストステロン投与の効果なし(2006年 10月 19日)で触れたが、“DHEAはサプリメントとしてもはや容認できないし、regulated drugとして認可されるべきものである。DHEAがサプリメントとして野放しにされている”と、苦言が呈されている”とさえ言われているのである。これでも野放しなのは・・・政治的問題のようである。そういう問題が少ないはずの日本で規正がされないのはなぜ?
そして、男性ホルモン補充療法の有害性に関するエビデンスも徐々に明らかになりつつあると思う。
Testosterone Replacement Therapy: How Safe For Aging Men?
American Physiological Society (APS; www.The-APS.org)学会(August 9-12, 2007 )にて発表されたもの
最近、テストステロン・サプリメントが男性加齢や男性の筋肉増強、リビドー亢進、QOL改善目的に使われ始めている。先進国で目立つ加齢人口の増加にともない需要が多くなっている。
しかしながら、テストステロンの長期投与に伴う心血管への影響は不明な点が多い。
動物実験でUniversity of Mississippi Medical CenterのPhysiology and BiophysicsのRadu Iliescu, Licy L. Yanes, Julio C. Sartori-Valinotti, Jane F. Reckelhoffらチームが報告
3群の8ヶ月齢ラット比較(intact、性腺除去、テストステロン・サプリメント使用)
13ヶ月齢までサプリメントを投与
テストステロンサプリメントで、オスSHRは有意に血圧増加し、尿中蛋白排泄増加し、去勢にて蛋白尿減少した。このサプリメントは腎障害促進し、高血圧悪化を生じるのである。
内因性の男性ホルモン除去は、高血圧レベルの変化無しに腎障害伸展を予防された。
テストステロン・サプリメントを使用している人間男性を模した動物モデルであったが、実際に現在ongoingなプロジェクトもあるとのこと。
加齢に伴うテストステロンの減少が心血管・腎疾患が存在するひとではその伸展へ影響をあたえるているのではないかという仮説が検証されつつあるとのこと
動物モデルだから、騒ぐな!・・・という批判するだろうが、抗加齢に対する有効性エビデンスのなさと内在性リスクの可能性を天秤にかけたらどうだろう。・・・結論は自明だと思うのだが・・・
by internalmedicine | 2007-08-09 09:45 | 動脈硬化/循環器