薬剤性血小板減少症


Drug-Induced Immune Thrombocytopenia
N Engl J Med Volume 357:580-587 August 9, 2007 Number 6
【頻度】
・100万例に10例と推定

 多くの薬剤では比較的少ない。しかし、ある薬剤、abciximabや金製剤は約1%に免疫性の血小板減少を生じる。

【原因薬剤】
・ヘパリン(unfranctionated heparin、low-molecular heparin)
・Cinchona alkaoids(Quinine、quinidine)
・血小板抑制(Abciximab、eptifibatide、tirofiban)
・抗リウマチ薬(金塩・・・・D-penicilamine)
・Sedatives and anticonvulsant(Carbamazepine、phenytoin、valpronic acid・・・・Diazepam)
・ヒスタミン受容体拮抗剤(Cimetidine・・・・・・Ranitidine)
・鎮痛剤(Acetaminophen、diclofenac、naproxen・・・・・Ibuprofen)
・利尿剤(Cholorothiazide・・・・・Hydrochlorothiazide)
・化学療法・免疫抑制剤(Fludarabine、oxaliplatin・・・・Cyclosporine、rituximab)

【メカニズム】
Hpten-dependent antibody:稀
 ハプテンがたんぱくと共有結合し、薬剤特異的免疫反応を生じる

Quinie-type drug:quinine例:100万例に26例
 可溶性薬剤の存在下で膜蛋白と結合した抗体を薬剤が誘導する

Fiban-type drug:0.2-0.5%
 glycoprotein IIb/IIIaと薬剤が反応しconfomational change(neoepitope)反応を抗体により生じたものと推定

Drug-specific antibody:初期曝露0.5-1.0%、2回目曝露10-14%
 抗体が、血小板膜glycoprotein IIIaのchimeric Fab fragmentのネズミ成分を認識したもの

Autoantibody:金製剤1.0%で、procainamideなどは稀
 薬剤が自己血小板へ抗体反応を誘導したもの

免疫複合体:未分画ヘパリン7日にて3-6%で生じる
 薬剤がPF4と結合し、抗体が特異的な免疫複合体を形成、免疫複合体がFc受容体を通して活性化



【治療と予後】
一般的には皮下出血や斑状出血のみであり、薬剤中止にて特異的治療は必要ない。
原因薬剤が不明のとき、すべての薬剤を中止せざる得ない。
重症の血小板減少、“wet purpura”を有する場合は血小板輸血を積極的に行うべきである。致死的な頭蓋内出血、肺内出血のリスクがあるからである。
ステロイドは通常使用されるが、エビデンスはない。
静脈投与免疫グロブリン、血漿交換が用いられることもあるがこれもその有用性は不明である。
幸いにして薬剤性血小板減少は薬剤特異的であり、通常は同様構造の薬剤でさえ投与可能となることが多い。

by internalmedicine | 2007-08-10 15:39 | 医療一般  

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