熱波関連死亡予後因子

熱波は超過死亡を発生させる。たとえばヨーロッパ2003年熱波期間中に2万2千から4万5千名の超過死亡が発生したという報告があり、最近の推定では7万人と上方修正されているとのこと。フランスだけでも9日間に14800名の超過死亡があり、1・3がheatstrokeであり、核体温が40度以上に増加し、多臓器障害を生じるものである。卒中以外の心血管、肺疾患、精神疾患などのコモンな病態での超過死亡解析がなされつつある。
さらなる解析にて対策も浮かび上がるものだろう・・・


日本のおける熱中症の死亡災害発生状況(http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei08/01.html)
をみると人口比で見てもかなり日本は少ないとおもわれる・・・ほんとにこの程度なのだろうか?日本はヨーロッパに比べ高温多湿でありもともと高温順応されているのかもしれないし、エアコンの普及率もたかいのかもしれないが、あまりに少なすぎる報告である。

暑い日が続きますが・・でちょっとふれたが、医療専門家の死亡診断書記載は大丈夫なのか?行政の把握は十分なのか?・・・という疑問がもたげる。


Prognostic Factors in Heat Wave–Related Deaths
A Meta-analysis
Arch Intern Med. 2007;167

【方法】"heat stroke"、"heatstroke"、"sunstroke"、"heat stress disorders"で検索した研究で1065の熱波関連死亡の6つの症例対照研究をふくむもの
【結果】
・ベッド上 OR 6.44; 95%CI 4.5-9.2
・自宅とじこもり OR 3.35; 95%CI 1.6-6.9
・自己ケアできない状態 OR 2.97; 95%CI 1.8-4.8


既存精神疾患が死亡リスクを3倍化する(OR 3.61 95%CI 1.3-9.8)

他基礎疾患
・ 心血管 OR 2.48; 95% CI, 1.3-4.8
・ 肺疾患 OR 1.61; 95% CI, 1.2-2.1


対策と関係しそうな良好なアウトカムと関係するものは・・・
・ 仕事場エアコン OR 0.23; 95% CI, 0.1-0.6
・ 涼しい環境への訪問 OR 0.34; 95% CI, 0.2-0.5
・ 社会的コンタクト OR 0.40; 95% CI, 0.2-0.8


有意差はないがリスク減少傾向をしめすもの
・ シャワーや風呂をいつもより別に使うこと  OR 0.32; 95% CI, 0.1-1
・ 扇風機を用いること OR, 0.60 95% CI, 0.4-1.1








熱波対策のヒントが多く示されている報告に思えるのだが・・・やる気があるかどうかは・・・行政次第だし、メディアがうるさくいうこともよいことなのかもしれない。

by internalmedicine | 2007-08-14 09:37 | 医療一般  

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