人気ブログランキング | 話題のタグを見る

apo B:Apo-I 比は従来の総コレステロール/HDLを上回る指標ではない

冠動脈疾患(CHD)リスクを予測するのにアポリポ蛋白と従来の脂質指標とどちらがパフォーマンスが良いか?…という話


対象は、3322名の中年、心血管疾患を有さない、女性43%

Clinical Utility of Different Lipid Measures for Prediction of Coronary Heart Disease in Men and Women
JAMA. 2007;298:776-785.
観察期間15.0年中央値
291名(198名男性)でCHD発症
非脂質リスク因子補正多変量解析モデルで

apo B:apo A-I ratio: SD増加ごとのHR 
男性:1.39(95%CI 1.23-1.58)
女性:1.40(95%CI 1.15-1.57)


リスク比は総コレステロール/HDL-Cと同等
男性:1.35(95%CI 1.18-1.54)
女性:1.36(95%CI 1.14-1.63)



両性において、apo B:Apo-I 比はほかの指標と比較しうるものではあったが、優れているというものはなかった。

apo B:apo A-I比は総コレステロール:HDL-Cを含めたFraminghamリスクスコア予測モデルにおけるCHDリスク予測は不能であった。 (P = .12 in men; P = .58 in women).


結論からいえば、総コレステロール/HDL-C比とさほど変わんないので、臨床ルーチンの中でapo B:Apo-Iを測定することは意味がないかもしれないということ

動脈硬化性疾患予防ガイドライン2007では“「LDLコレステロール値」で評価することが明記”とされるが、じつは、落とし穴がある。

原本には・・・
原則としてLDL-C値で評価し,TC値は参考値とする。
LDL-Cは直接測定法を用いるかFriedewaldの式で計算する。
TGが400mg/dl以上の場合は直接測定法にてLDL-Cを測定する。
と書かれ、LDL直接測定はTG<400未満では推奨されていない。LDL測定値の標準化が遅れていることもこの理由の一つとのこと

今までの測定値を捨ててまで、すぐ移行する意義は少ないのである。



私も一時期LDL直接測定法に変更したことがある。
日本以外では、総コレステロール/HDLという指標を重視されていることもあり、指導する場合の根拠・指標としてLDL直接測定に意義を見いだせなかったからである。こういう新しい指標だからと言って、すぐ飛びつくのは・・・愚かなことなのだろう


最近、総コレステロール/HDL比という指標がかなり広範につかわれているが、日本ではあまり使われてないようである。LDL推定値とこれらの指標の優劣の指標は比較されているのであろうか?Quebec Cardiovascular Studyでは、LDL/HDLの方がT.C/HDLより優れているとは限らないという結果もある。・・・もっとも、インスリン抵抗性の概念が入ってしまい・・・なんの指標だかわからなくなっているという批判もあるが・・・


日本の愚かな検診では・・・・・・

by internalmedicine | 2007-08-15 09:18 | 動脈硬化/循環器

 

<< 急性肺傷害・ARDSにおけるS... 熱波関連死亡予後因子 >>