ワインによるアナフィラキシーとハチ抗原

飲酒は、アナフィラキシー様反応の引き金や開始のきっかけとなる(Br J Dis Ches 1983:370-375.)


Hymenopteraってのは、ハチ目のことらしい。
ワインは、グレープワイン、イースト、最近、昆虫(ハチなどを含む)などの多くの生物学的、化学的成分を含むとのことで、中に含まれる物質が抗原として作用する場合当然アナフィラキシー様を含む過敏反応も生じる可能性がある。

意外なものと結びつくものだ・・・

Wine-Induced Anaphylaxis and Sensitization to Hymenoptera Venom
N Engl J Med Volume 357:719-720 August 16, 2007 Number 7
グレープジュースや、しぼりたてワインなどで5名のアナフィラキシー様が報告され、通常のアレルゲン(商用グレープ抽出、白卵、1年未満のワイン)による皮膚反応では陰性であり、ハチ刺などの既往もない症例であった。

これらの症状の原因となる可能性のあるhymenoptera抗原への感作について検査したところ、赤ワイン飲酒後症状のあった患者はvespula(スズメバチの一種?)とpolistes(アシナガバチ?) に、ともにsensitiveであったが、白ワインによる症状出現者はpolistesのみにsensitiveであった。亜硫酸塩のパッチ試験、経口・気道暴露試験で全例陰性。
4例でOAS、フラッシング、1例で喘息症状を呈し、FEV1の25%の低下を示した。aging wineでは陰性であった。

IgE-Immunoblotting施行し、5名の患者のプール血清にてグレープジュースとしぼりたてのワインで22-kDと27kDのバンドがあり、一つのaging wineで22-kDがあり、他のaging wineではアレルゲンとの結合するIgEはなかった。

polistes属からの抽出物使用抑制相(immunoblot inhibition)ではHymenoptera陽性者にて抑制がみられた。対して、vespula俗やA.melliferaによる抑制はみられなかった。





ぶどうの場合ほとんどの品種は、自家受粉のため、ハチは基本的に不要とのこと
http://www.nengou-wine.com/deki/risousiki.htm

赤ワインは“果汁・果皮・種子”もろとも・・・なんで紛れ込みやすい気もするのだが、白ワインも例外でないようだ

by internalmedicine | 2007-08-16 10:50 | 内科全般  

<< 謝罪マニュアルトラップ 群発治療予防にベラパミル処方す... >>