上部体幹肥満(バッファロー・ハンプ)はHIV、非HIV患者でもインスリン抵抗性と関連する

バッファロー・ハンプ=クッシング症候群というワンパターンの発想しかなかったが・・・

"バッファロー・ハンプ”
教科書的にクッシング症候群というのは、満月様顔貌でありますとか、先程申しましたバッファローハンプ、水牛様の肩と、中心性の肥満、それから四肢の方はむしろ筋の委縮のために、非常に細くなる、耐糖能異常があるといったようなもので先程のリポジストロフィーとの共通点は非常に多いわけですが、その背景にある病態については現在まで知られておりません。
HIV患者のbuffalo hump(upper trunk fat)が特徴的で、この上部体幹脂肪とインスリン抵抗性の関係は対照を持って検討されたことがなかったとのこと(引用:http://medical.radionikkei.jp/suzuken/final/041014html/index3.html








上部体幹肥満という考え方があるようだ。


HIVのジャーナルに書かれていたのだが、この上部体幹部皮下脂肪が、対照者でも、内臓脂肪とともに、インスリン抵抗性と関連があるとのこと

Association of Upper Trunk and Visceral Adipose Tissue.
Journal of Acquired Immune Deficiency Syndromes. August 2, 2007 POST ACCEPTANCE, 2 August 2007 10.1097/QAI.0b013e31814b94e2


上部体幹脂肪が、内臓脂肪とは別に、独立したインスリン抵抗性との相関があることを示した論文。
926名のHIV患者の脂肪分布異常の横断的調査し、
下肢、腕、下部体幹(背部・腹部)、上部体幹(背部・胸部)の内臓脂肪(VAT)と皮下脂肪(SAT)を計測し、HOMAとの相関を調査し、段階的多変量解析にてHOMA>4を調査した

インスリン抵抗性マーカーとしてのHOMA>4の比率は対照群28%、HIV感染37% (P = 0.005).

上部体幹SAT容積の最大三分位は最下位三分位に比較して
対照:HOMA>4オッズ比 9.0(95%CI 2.4-34)
HIV: 〃           2.09(95%CI 1.36-3.19) (95% CI: 2.0 to 4.8; P < 0.0001).




VAT・上部体幹SAT補正後、他のSAT沈着とHOMA>4の相関は有意差が無くなった。

内臓脂肪と上部体幹皮下脂肪は対照群・HIV感染者ともインスリン抵抗性マーカーである。




体重増加の時、確かに、項部から両肩・背部の皮下脂肪が増えている。

by internalmedicine | 2007-08-18 09:58 | 動脈硬化/循環器  

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