発症前10年ほど前の体重減少:女性の認知症先行症状

嗅覚試験が認知症関係で役立つという(e.g. Tabert MH et al. A 10-item smell identification scale related to risk for Alzheimer's disease. Ann Neurol 2005 Jul; 58:155-60.、)

それと関連があるのかどうか不明だが、認知症に関して10年ほど前に先行する体重減少がみられるとのこと

Incident dementia in women is preceded by weight loss by at least a decade
NEUROLOGY 2007;69:739-746

Rochesterの1990-1994年のカルテとリンクした疫学データ利用

21-30年前で、症例と対照では有意差がない
認知症を有する女性では指標年11-20年時点で体重減少が少ない
女性では体重減少を伴う女性では認知症リスク増加の傾向が見られ (test for linear trend; p < 0.001)、9-10年前で有意差があった(test for linear trend; p = 0.001)



女性の場合は、認知症になる10年前は原因不明の体重減少を呈する人が多いということ

認知症早期ステージで体重減少となる原因としてかんがえられるのは、apathy状態、意欲の低下、嗅覚喪失などである。液性因子が関与しているのでは中と著者らは考察している。

脂肪組織の量が少ない女性はエストロジェン値が少なく、早期閉経にてエストロジェン値が少ない場合神経変性、血管脳障害が少ない。
男性の場合はテストステロンと認知症リスクの関係がそれほど明らかでない。




メタボリックシンドロームでやせさせようとさせているが、女性ではかえって認知症を増やすきっかけになったりして・・・・と、無責任発言(このMetSに関しては、政府の方が、もっと無責任だと思う)

by internalmedicine | 2007-08-21 10:07 | 運動系  

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