頭部外傷による補液蘇生:アルブミンで死亡率増加
2007年 08月 30日
わたしなんぞ、以前ブログで
SAFE studyでのサブグループ解析ではアルブミンと食塩に生存率に差がなかったが、外傷に関しては、1186名のうちアルブミンが若干死亡率増加傾向 (アルブミン群における相対的死亡リスク 1.36; 95%CI 0.99 - 1.86)、脳外傷の影響にて説明できる可能性がある(相対リスク 1.62:95%CI 1.12-2.34)。と、書いてしまった。
重症敗血症の1218名の患者では、アルブミン投与が死亡率減少の可能性(0.87:95%CI 0.74-1.02)
────────────────────────────────────ということで、病態による有効性に差があることが示唆されたことです。
ほんと文献というのは・・・踊らされないように、気をつけないといけない(自省)
頭部外傷患者で、resuscitation fluidは全身・脳循環を回復・維持のため用いられている。だが、その選択に関してはcrystalloid-based vs colloid-based の議論が相変わらず・・・これにアルブミンの生存予後悪化報告が絡まり私のような専門外にはごちゃごちゃ・・・
SAFE研究(Saline versus Albumin Fluid Evaluation )っではアルブミンと生殖の死亡率影響比較にて全体的には有意差がなかった。
治療効果のheterogeneityのエビデンスがあり、この結果に疑問が呈された。
ICUにおいてすべてのfluid resuscitationとして4%アルブミンか生食にランダム割り当て
ランダム化は外傷診断により層別化(熱傷をのぞく機械的な外傷)
GCS13以下、CTにて異常指摘されたもの
SAFE研究はベースライン要因を十分に検討してなかった。ランダム後28日以内の死亡率がプライマリアウトカムであったが、最近のコンセンサス推奨では6-24ヶ月の死亡率、機能神経学的アウトカムで検討するのが通常である。
Saline or Albumin for Fluid Resuscitation in Patients with Traumatic Brain Injury
The SAFE Study Investigators
N Engl J Med Volume 357:874-884 August 30, 2007 Number 9
GCSスコア3-8のサブグループを重症頭部外傷として分類
疫学的特徴、重症度指数はベースラインで同様
24ヶ月時点で、アルブミン群 71/214(33.2%)、生食群 42/206(20.4%)
(相対リスク 1.63; 95% confidence interval [CI], 1.17 ~ 2.26; P=0.003)
重症頭部外傷患者のうち、アルブミン群 61/146名(41.8%)、生食群 32/144が死亡
(相対リスク 1.88; 95% CI, 1.31 ~ 2.70; P<0.001)
GCS9-12の患者のうち、アルブミン群 8/50(16.0%)、生食群 8/37
(相対リスク 0.74; 95% CI, 0.31 ~ 1.79; P=0.50)
by internalmedicine | 2007-08-30 10:56 | 運動系