人工着色剤と安息香酸ナトリウムは3歳児、8・9歳児の多動性と関係

人口着色剤が3歳の子供の行動に対し、多動性(過活動、不注意、衝動性)を悪化させるというエビデンスが強固なものとされつつある。この多動性は教育問題、読解の問題、子供の学業に影響を与えるのである。
これは、注意欠陥・多動性障害(AD/HD)の子供にのみみられるものでなく、一般の子供にもみられるのである。


日本では、安息香酸ナトリウムに関して
急性毒性や短期毒性も低く、発ガン性試験においても発ガン性は認められていません。ソルビン酸と比較してADIは低いが、毒性は極めて低いことが確認できています。クランベリーやプルーン、梅などの果実にも含まれており、自然界に広く存在しています。
とされ、
キャビア、マーガリン、清涼飲料水、シロップ、しょう油、菓子の製造に用いる果実ペーストおよび果汁など
など使用されているとのこと。

日本ではこのことが過小評価されているのではないだろうか?

人工着色剤(AFCA:artificial food colour and additives)は昔から子供の行動異常と関係あるのではないかとされてきた。Ben Feingoldは30年前からAFCAの子供への悪影響を主張していた。最近のメタアナリシスではAFCAの影響がはっきりしてきた。食品からAFCAを除去することで、子供の多動性を減らす可能性が出てきている。




介入群は
Mix A :人工着色剤(20 mg daily) と 安息香酸ナトリウム (45 mg 毎日)
Mix B:現在の平均的な食品添加物
で、両群に安息香酸ナトリウムを含みもの

日常生活で摂取する量で検討されているので恐ろしい

Food additives and hyperactive behaviour in 3-year-old and 8/9-year-old children in the community: a randomised, double-blinded, placebo-controlled trial
The Lancet DOI:10.1016/S0140-6736(07)61306-3

人工的食品着色・添加物が子どもの行動にどう影響するかのランダム化、二重盲検、プラセボ対照、交叉トライアル
153名の3歳児・144名の8/9歳児
安息香酸ナトリウム(sodium benzoate)と2つのAFCA混合物(A or B)の2つのうち一つ、飲料投与
メインアウトカムは、“global hyperactivity aggregate (GHA)”で、教師・両親による行動観察aggregated z-scores・ratingsによるもの
8/9歳児には、コンピュータによる注意力テスト

16名の3歳児と14名の8/9歳は研究完遂できず、これは子どもの行動異常に関連しないものとされた。

Mix Aは、3歳児において、プラセボに比較して、GHAにおいて、有意にadverse effectあり (effect size 0·20 [95% CI 0·01–0·39], p=0·044) 、しかし、mix Bでは有意差なし
ジュース85%以上摂取した場合とデータ紛失例において、この影響は3歳児に限定したときに変わらず存在する (0·32 [0·05–0·60], p=0·02).

8/9歳児ではmix A(0·12 [0·02–0·23], p=0·023)、mix B(0·17 [0·07–0·28], p=0·001)投与で有意な有害作用を示した。


どの構成成分が問題なのかは現在の研究ではわからない。今後の検討が必要であるとのこと



ref.) 人工着色料・保存料の一つが子供の落ち着きのなさを増す 2004年 06月 05日



保存料の定義
保存料の定義
食品の腐敗や変敗を抑制・防止し、食品の保存性を高め食中毒を予防するのに使用される食品添加物の総称です。又、食品が持つ食味や風味を損なわずに、効果的に保存性を高める特徴を持ちます。


保存料の種類
1 食品衛生法により定められた「保存料」に挙げられるすべての物質です。
2 指定添加物 - 2004年1月20日(火)現在 LAWSON


子供用といいながら、安息香酸ナトリウム使用している商品もあるようだ。なかには安全と断定している記事もあり、今後、指導されるべきではなかろうか?

by internalmedicine | 2007-09-06 12:17 | 運動系  

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