インフォームド・コンセントが絶対的ってわけじゃない

治験において、インフォームド・コンセントは時に後顧的であることもある。
治験前インフォームド・コンセントが絶対ということではない。

一見、“?”と思えることですが・・・・

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Informed consent could sometimes be postponed
BMJ 2004;329 (10 July), doi:10.1136/bmj.329.7457.0-e



標準治療にアウトリーチを加えることの有効性に関して、事前に取るのではなくインフォームド・コンセントを退院後6ヶ月研究終了後とったもの。


現在行われている医療的介入がどのようなものかインフォームド・コンセントを参加者に行うときに、患者はトライアルが終わった後にその情報を受けることを許容する場合がある。Boterらは、データ集積後まですべてのdisclosureをおくらせるmodified consent procedureを評価する。
患者の参加を減らすものでもなく、医師への信頼、将来の研究への参加意思などを減らすものでもない。リスクがさらに加えられるものでないときに、治療がより患者にとって魅力有るものであるとき、modified procedureが考慮されるべき、とかれらは述べている。この文献のコメントでは、Dawsonは、倫理的原則は何事も全体と言うことはない、すべてのインフォームド・コンセントの要求はなされている研究に利点をもたらすことがある。ある情報をあたえないことを発展させて参加者にinformすることが不安を増加するかもしれないし、なにもいわないことが良いかもしれない。




インフォームド・コンセントは医学研究介入な場合一般的に要求されるものである。しかし、にもかかわらず、そのような同意を求めない十分な理由が存在することがある。
“incompetent patients”の研究を含む例で、無名の組織サンプルを用いた研究、ある種の疫学的研究である。
これはしばしば忘却されることであるが、介入において、方法論的理由で同意を求めない場合である。Boterらはそんな状況を示している。彼らのQOLを評価することを含む調査の前にインフォームド・コンセントを行うことはできないかもしれない。事前の同意はバイアスをもたらす結果となるであろう。
インフォームド・コンセントが事前になされてなかった場合はこの研究は不倫理的なですか?もし同意が要求されれば研究が遂行できないだろうという事実を離れてそのようなクレームが重大な倫理論争をひきおおこすこととなる。おそらくこの場合は倫理的原則は絶対的なものではない。状況は複雑で、小さな違いが評価する方法に重大な相違をもたらす。ことなる倫理的、方法論的問題が他のことより互いに比重をかける必要があり、明確なすべての要因をベースになされた防御的判断が必要。
この場合、研究が重要な問題であり、問題のブラインド化されなければ調査の結果がえられない、そして参加者に有害性が否定できるという理由で同意の施行が倫理的に正当化された。



我々が信頼をうけて治療しえいる患者に代換治療を行わないことを同意しても、卒中のQOLの改善となったことから、より倫理的であったかは不明。“常にインフォームド・コンセントが前提”というような絶対的な原理を無目的に適応することは、必ずしも疫学的なアウトカムを保証するものではない。潜在的な有益性のある研究はなされるように、かえって有害でさえあるかもしれない。研究アプローチについての一つの関心は、同意に重きをおきすぎているということかもしれない。研究参加者に前もっと情報をあたえることは不安を呼び起こすことがある。結果として、参加者はシナリオ上の全種類の不安感を想像するかもしれない。代案として研究が完遂するまで同意に関して何も言わないことである。
“修正”インフォームド・コンセントが好ましいかどうかは不明。しかし、多くの参加者が後顧的に事前のインフォームド・コンセントをもとめない方法論的理由を評価し、その研究で一般的に幸福をもたらすものであることが重要である。
研究者、ジャーナル、倫理委員会研究メンバーは、状況での方法論でのインフォームド・コンセント探求することの適切さにもウェイトを置くように心がけるべきである。
インフォームド・コンセントを常に求めることの絶対的要求は有益性より有害性をもたらす。


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何でも欧米がすばらしいという盲信が、医療界にはびこってますが、逆に医療側との信頼関係をベースにした、善意に基づく、患者に有害性の無い、治験に関しては、後顧的な同意で良いというのは、エセ人権擁護団体(表面的患者人権保護のため、結果的に大多数の利益をそこなわさせる、狭視野の・・・)には納得のできないことでしょうが、このような意見がジャーナルに掲載されていることをそして論評でも肯定的であることを理解してほしいと思うわけです。

by internalmedicine | 2004-07-09 10:39 | 医学  

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