骨髄細胞に心臓修復効果 初の無作為試験で発表

いろんな新聞で取り上げられてるかなとおもったのですが、あまり取り上げられてないようですね。

この程度
 ↓
骨髄細胞に心臓修復効果 初の無作為試験で発表


わたしら 素人目には 順風満帆のように思えたのですが・・・なかなか課題多いようですねえ。このまえ、冠動脈バイパス手術後に肋骨切断面から骨髄液採取なんてはなしも聞きましたが十分な幹細胞がとれるかどうか・・・


他臓器への"transdifferentiate"というのに適切な日本語訳が見つからず、臓器組織の文化の直線的境界を越えうる分化 と考えてよいのか・・・


Intracoronary autologous bone-marrow cell transfer after myocardial infarction: the BOOST randomised controlled clinical trial Lancet 2004; 364: 141-48
血液幹細胞への関心は35年ほど前からあつまっていた。1968年血液と免疫細胞を先天的免疫不全症の子供へ臨床応用した報告を観た。血液幹細胞は現在ルーチンに臨床応用されつつあり、主に血液・免疫疾患への治療として利用されている。しかし、ここ数年自己骨髄を予防というより高度の可塑性、すなわち、 他臓器への"transdifferentiate"ってのがみつかりましたが、臓器境界をこえての文化としてください) 可能性が発見された。Orlicらの報告ではマウスで骨髄由来の造血幹細胞が心筋細胞へ大量にtransdifferentitationした報告がなされている。そんなtransdifferentionは心筋梗塞後、心不全あるいは両者の細胞置換療法への研究という興奮をともなう発見であった。ヒトの臨床トライアルがいままさにはじまった。
疾患冠動脈への細胞の注入、障害部位の周囲の心筋への直接注入、レーザによる心筋内膜経由、いづれでも左室機能は幾分改善する可能性がある。
しかし駆出率増加はわずか5-8%であった。この程度の改善は、造血幹細胞の心筋細胞へ著明なtransdifferentiationがマウスでは再現できず、組織の直線性境界を越えた文化という概念にさえ疑念がもたれた。。さらに、ランダム化・二重盲験化の欠如による臨床研究であった。故に、今回のLancetのKai Wollertらの報告がランダムトライアルとしては最初。

この研究では心筋梗塞後をランダムに割付、対照と骨髄由来の細胞を心筋梗塞による障害領域に供給する動脈内へ注入した(30/Group)。左室は骨髄群で6.7%と改善、対照群は0.7%であった。臨床家や基礎科学者はいま如何に前進したかを思う。
マウスの研究とヒトの臨床的変数が明瞭なtransdifferentiationの欠如を示唆しているので、臨床的改善下のメカニズムの理解が重要である。メカニズムはngiogenesisかvasculogenesisの改善が関与しているのかもしれないし、hibernating myocardiumの生存率の改善、注入細胞のパラクリン機能、損傷組織のmodulationなど・・・
ヒトの臨床研究はこのメカニズムを発見することの手助けにならないと思え、実験・動物研究が必要。GCSFによる治療や末梢血幹細胞の冠動脈内注入を用いた他の臨床トライアルが再狭窄率増加のため中止されているので、このような基礎研究がいまさらに重要となっている。
さらに、間葉間質細胞の冠動脈内注入、多くの研究で患者へ投与されている細胞分画にも存在する部分だが、それの投与により急性の心筋虚血、亜急性の微小梗塞がイヌで生じた。骨髄由来細胞のグラフト化、その長期的寿命、この実利的な治療アプローチの潜在的な落とし穴の程度をまだわかってないのだ。
臨床研究で、主に中等度左室駆出機能の患者だけに行った。何らかの現実的治療利益を重症の心不全患者で評価すべきである。この患者にとって、本来の心筋の細胞にある収縮力をとりもどすこと、電気液なカップリングをもつことがもっとも必要とされる。
医学は臨床家がしばしば最初に衝撃を与え、それから基礎科学者がそのメカニズムのバックグラウンドの基礎的科学の解明を手がけるということから利益があたえられてきた。kのメカニズムが明らかになった後、適切な薬剤で細胞注入して弛緩することができるようになる。
多くの有望な心筋細胞の起源、たとえば、胎児幹細胞や胎生期の心筋由来のもので主に基礎的な研究が続けられることが重要。
Wollertらは臨床家や基礎科学者がその相互関係を互いに密にそして強くすべきであると強調。究極の利益は患者にあり、それは我われの主な目標に違いない。
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Study finds stem cells boost failing hearts Monday, April 26, 2004

by internalmedicine | 2004-07-09 16:30 | 医学  

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