1型糖尿病リスクのある子供はω3食事介入でその発症リスクを軽減できる可能性
2007年 09月 26日
子宮内、胎児時期からの影響も当然考えられ、新しい介入試験が必要となるのかもしれないとのこと。海からの食品に含まれるω3脂肪酸の一つであるDHAの抗炎症用量との関係など今後検討が必要
魚はビタミンDの供給源でもあり、これが共役因子として働いている可能性もある。脂肪酸のω3細胞膜含量を増やしており、resolvinやprotectinとして知られている抗炎症エイコサノイド産生を促進する。
Omega-3 Polyunsaturated Fatty Acid Intake and Islet Autoimmunity in Children at Increased Risk for Type 1 Diabetes
JAMA. 2007;298:1420-1428.
コロラド州Denverで行われたDiabetes Autoimmunity Study in the Young (DAISY)という長軸方向の観察研究(1994年1月から2006年11月)
1型糖尿病のリスクの高い1770名の子供(定義としては、糖尿病リスクの高いHLA遺伝子型、あるいは同胞・両親が1型糖尿病であるもの)
平均フォローアップ期間は6.2年
ラ氏島抗体(IA)が1歳時点での多価不飽和脂肪酸(PUFA)報告摂取量と関連があるかどうかを検討した。
症例対照研究(N=244)で赤血球膜のPUFA含量(総脂質比率)によるIAのリスクを検討
58名の子供がIAを呈するようになり、HLA遺伝子型、家族歴、カロリー摂取、ω6摂取量で補正すると主が3摂取量とIAのリスクは逆相関(hazard ratio [HR], 0.45; 95% 信頼区間[CI], 0.21-0.96; P = .04)
この相関は、アウトカムの定義を2つ以上の自己抗体陽性としたときにさらに強まる (HR, 0.23; 95% CI, 0.09-0.58; P = .002).
症例対照研究にて、赤血球膜中ω3含量はIAリスクと逆相関を認めた (HR, 0.63; 95% CI, 0.41-0.96; P = .03).
あくまでも、食事中のω3含量なのであり、決してDHAやEPAのサプリメント使用ではないことにご注意を!
by internalmedicine | 2007-09-26 08:55 | 動脈硬化/循環器