通所看護のコスト・・・理論的でない

マスコミから流れる情報というのは、質が低すぎることが多く
ある民放の番組をみていたら、さる有名芸能人の家族が“介助無しでは動けないほどの介護度V”というナレーションとともに支えありで独歩してました・・・・
痴呆度がかなりひどかったのかもしれませんが、このナレーションが誤解を生みますね
通常の介護度IV、Vというのはベッド・バウンド、すなわちベッドから離れられない


マスコミの文面から判断すれば(マスコミ自体が勘違いが多い)、情緒的、叙述的、直感的な行政ですね。QOL、介助者の満足度、コスト分析など行ってから検討すべきでしょう。文系官僚に任せると、国は破綻しますね。


計算するとよくわかります。

・いま一番金のかかる施設型療養型病床群(介護療養施設)で、要介護4 ¥12,600、要介護5 ¥12,990

・現在の通所系の通所介護だと、要介護3~5で6-8時間で\10,280
http://www.fukushi.com/special/karitanka/1.html

その差額2700円程度ですが、実際には施設系は夜間カバーしていること、通所系は交通費や要介護4~5となれば寝台搬送が主体となります。するとそれにかかるコストはむしろ逆転してしまいます。


その上に、現在の“看護婦などの訪問(訪問看護) 医療機関から派遣の場合”¥8,450 “訪問看護ステーションから派遣の場合”\11,990です。
この上に、通所に関わる費用などを考慮すればアホみたいなことになります。


わざわざ施設に通わせる必要性なんてあるんでしょうか?ポータブル機器がこんなに発達しているのに・・・



もともと、看護の定義と介護における看護というのはもともとその境界があいまいで、

“介護」を、「身体上若しくは精神上の障害又は加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等による日常生活上の困難に対して、その能力に応じて自立した日常生活を営むことができるようにするために行われるあらゆる支援”と無理矢理定義して、以前からの問題提起には何の解決ももたらさず、さらに混迷を深めている現状(ヘルパーの医療行為ホームヘルパーの医療関連行為の実態)がある。


素地には看護師側から看護師の既得権防御と、医師の占有業務への範囲拡大の要求があるのかもしれない。でも、ことさらに、通所看護なんて増やすより、現在の通所系サービスでの業務内容の修正の方がコストもかからないと考える。
医者たたきには必死のマスコミも看護師に関わる問題となると筆先が鈍るようである。


「通所看護」06年度導入へ 入院せず施設で医療的ケア 厚労省、医療費抑制も期待
http://www.m3.com/news/article.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=-1&id=16704&lang=ja&Mg=64af7dfdf38923c56ca2bafd6426ac1d&Eml=8b9523a58d82b32839ffe3941abf9df4&F=h&portalId=mailmag


施設で安心 医療的ケア
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/kaetai/20040623sq21.htm


(マスコミからごちゃごちゃいわれそうだから、タグにてリンク指定せず・・・あしからず)

by internalmedicine | 2004-07-10 09:50 | くそ役人  

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