ACE阻害剤のマルファン症候群における大血管stiffnessと大動脈起始部への影響

ここによれば・・・

* 無症状の軽度から中等度の大動脈起始部拡大例では薬物治療とシリーズ化された画像診断、積極的血圧コントロールが必要
β blocer治療
年長の子供および大人では、安静時心拍70未満に、submaximal運動負荷では100未満に
長期持続性薬物(コンプライアンスに最適)もしくは最大のベネフィットをもたらし、ピークの血中濃度で(副作用)症状を最小化する薬剤の使用


他の降圧剤やACE阻害剤、ARB使用はもしβ blockadeが禁忌であるときや耐用性が悪い時、コントロールが悪い時に追加的に使用すること


シリーズ化された画像診断はその大動脈サイズが安定化するまで6ヶ月毎に行い、その後は年1回とする

* 下行大動脈や腹部大動脈の拡大・解離がある患者:
積極的な血圧コントロール
安定・不安定大動脈であると記載するべく頻回の画像診断が必要
・・・と推奨されている。


この管理方法について、若干、修正が加わるであろう知見

最初から・・・β遮断剤+ACE阻害剤となるかどうかは今後議論があろうが・・・


Effect of Perindopril on Large Artery Stiffness and Aortic Root Diameter in Patients With Marfan Syndrome
A Randomized Controlled Trial
JAMA. 2007;298:1539-1547.
【目的】
“Aortic stiffness”は、大動脈拡大、破裂、突然死を伴う特徴を持つマルファン症候群で増加する。ACE阻害剤はこのarterial stiffnessを減少することができるか?
【研究デザイン、セッティング、参加者】
標準治療であるβ遮断剤を服用している17名のマルファン症候群をもつ対象者(平均[SD] 33[6]歳)のランダム化二重盲験プラセボトライアル
2004年1月開始し、2006年9月完遂
【介入】peridopril(n=10)とプラセボ(n=7)24週
【メインアウトカム測定】arterial stiffnessは全身血管コンプライアンス、中枢末梢脈波速度にて評価、大動脈径は胸壁心エコーにて4部位測定
【結果】

Perindoprilはarterial stiffnessを減少
全身動脈コンプライアンス
介入群:mean [SEM] 0.33 [0.01] mL/mm Hg(baseline) → 0.54 [0.04] mL/mm Hg (24 weeks)
プラセボ: 0.30 [0.01] mL/mm Hg → 0.29 [0.01] mL/mm Hg P = .004)


中枢性脈波速度
介入:7.6 [0.4] m/s → 5.9 [0.3] m/s P < .001 vs placebo

末梢性脈波速度
介入:10.9 [0.4] m/s → 8.7 [0.4] m/s P < .001 vs placebo


加えて、perindoprilは有意に収縮期終末期・拡張期終末期ともに大動脈起始部直径を減少
(P<.01 to P < .001 for all comparisons between groups)

perindoprilは境界的有意ではあるが平均動脈圧を減少81 [2] mm Hg → 80 [1] mm Hg vs プラセボ 83 [2] mm Hg to 84 [3] mm Hg P = .004)
さらに、平均動脈圧を共変数としたときも、stiffness、左室流出路径とも有意差を持った変化は残存した。


マルファン症候群の大動脈変性に関与するとされるTransforming growth factor beta (TGF-beta)はlatentでもactive formでもプラセボ比較でperindoprilにより減少する。
latent form (59 [6] ng/mL → 45 [3] ng/mL P = .01 vs placebo
active form(46 [2] ng/mL → 42 [1] ng/mL P = .02 vs placebo

by internalmedicine | 2007-10-03 08:32 | 動脈硬化/循環器  

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