アマチュア・ボクシングによる慢性外傷性脳損傷の存在:否定的論文なのだが・・・

ボクシングの話は・・・

文明国ではボクシングは追放されなければならない(2005年08月23日)

ヘッドギアしてもボクシングは頭に悪い (2006年09月12日

・・・と記載してきた。


BMJでは、アマチュアボクシングではまともな論文まだありませんよ という話


Amateur boxing and risk of chronic traumatic brain injury: systematic review of observational studies
BMJ, doi:10.1136/bmj.39342.690220.55
36のペーパーから引用したデータ(初期検索943のうち93を評価)
エビデンスの質は一般的不良
最良の質の研究はコホートデザインとpsychometric testを用いたものである
この結果ほとんどは否定的なもので、17の中4つのみ質の高い研究でのみ、少数ボクサーのの慢性外傷性脳障害でのみの検討であった。



あくまで、この論文は、ボクシングによる慢性外傷性脳損傷という面でのみ検討されたものであり、最初上げた論文を否定されているわけではない。

ところで、なにかと話題の相撲における、慢性外傷性脳損傷に関してシステミックに検討してみてはいかがだろうか?ぶつかり稽古など、脳損傷に限らず、心臓しんとうなどあり得るのではないだろうか?実際、一部で公表された相撲力士の死亡原因は、原因不明の心不全などが結構の割合を占めている。

スポーツ医学というのはスポーツ生理学とは違い、スポーツのメリットともにadverse effectも明らかにすべき責務を持っているとわたしは思うのだが・・・

by internalmedicine | 2007-10-05 08:50 | 運動系  

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