血中コルチゾール(総、遊離)は肺炎の予後因子

血中コルチゾールが敗血症時増加するが、血中コルチゾール高値は因子である。肺炎においてコルチゾールが予後因子であるかは不明であった。

Free and Total Cortisol Levels as Predictors of Severity and Outcome in Community-acquired Pneumonia
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Vol 176. pp. 913-920, (2007)
市中肺炎278名の前向き研究

pneumonia severity index (PSI)や生存率をmajor outcomeとして検討。
総コーチゾル(TC)、 遊離コーチゾル(FC)はCAP重症度増加とともに増加したが、CRP、白血球は増加しない(P < 0.001).

TCとFC値はフォロー中死亡患者はそうでない患者に比べ高かった。

生存推定ROC解析にて、AUCとして、TC:0.76(95%CI 0.70-0.81)、FC:0.69(0.63-0.74)

これはPSIのAUCは類似し0.76[0.70-0.81]で、CRP、procalcitonin、白血球数より良好であった。

単変量解析にて、TC、FCPSIのみが死亡推定因子であり
多変量解析では、TCの予測potentialはPSI点数と同等であった。



ARDSなんかに一発大量に、ソルメドロールあたりを1000mgどかんと、点滴する以外ないのかとおもっていたのが20年前、それから考えが変わりつつあり、世の中、ARDSへのステロイド治療期間長期化となりつつあるようである。

肺炎に関する副腎ホルモンの役割があらためて課題となっている現状



一方、高齢COPD患者に対する吸入ステロイドにより入院率増加というショッキングな報告(Am J Respir Crit Care Med. 2007;176:162-166.)もある。

あらためて、後日、その議論を記載したい。

by internalmedicine | 2007-10-20 07:50 | 呼吸器系  

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