肺癌の診断・治療ガイドライン:ACCP

9月発表されてた分なので、タイムリーな話題ではなくなってしまったが・・・

Diagnosis and Management of Lung Cancer: ACCP Guidelines"
CHEST Volume 132/Number 3 Supplement/September, 2007

ガイドラインで、肺癌検診は、リスクの高い患者を含めて患者の死亡率へインパクトを与えるエビデンスが少ないというpeer-reviewed journalを報告。予防のためのビタミンやメネラルサプリメント使用に関しても、効果があったとしても軽微すぎてリスク減少不能ということや、βカロチンは肺癌のリスク増加する可能性を示唆するため使用に反対する推奨を公表した。

肺癌検診
1. 良くデザイン化された臨床トライアルをのぞけば、現在のところ、低被爆ヘリカルCtは肺癌の検診のために使用することを推奨しない。 Grade of recommendation, 2C

2. 肺癌存在検診のための連続した胸部レントゲン検査に反対する推奨を行う。 Grade of recommendations, 1A

3. 肺癌存在検診のために単回もしくは、連続した書く単細胞新検査には反対する推奨を行う。 Grade of recommendation, 1A


PETの項目
悪性の確率が高い検査前確率が5-60%、少なくとも8-10mm以上のSPNの時、FDG-PET検査がなされるべき。Grade of recommendation, 1B

悪性の確率が高い検査前確率(>60%)の患者、<8~10mmのcmサイズ以下の結節(subcentimeter nodule)ではFDG-PETは推奨すべきではない。 Grade of recommendation, 2C


この検査前確率についてはいまだ正確な科学とはいえない。
検査前確率と臨床的指標としては、腫瘍サイズ、年齢、喫煙歴(pack years)、現行の喫煙者か喫煙歴なのか、癌の病歴を有するかなど。レントゲンサインとしては、結節辺縁の“corona radiata sign"や“spiculated appearance”。
悪性確率低下所見としては、非喫煙、若年(<45歳)、良性の石灰化パターン、辺縁がスムーズ、“enhancing rim sign”を有すること

CTによるコンピュータ化デザインの報告がある。
・Aoyama M, Li Q, Katsuragawa S, et al.: Automated computerized scheme for distinction between benign and malignant solitary pulmonary nodules on chest images. Med Phys 2002, 29:701-708.

・Shiraishi J, Abe H, Engelmann R, et al.: Computer-aided diagnosis to distinguish benign from malignant solitary pulmonary nodules on radiographs: ROC analysis of radiologists' performance-initial experience. Radiology 2003, 227:469-474.

放射線科専門医30%の見逃しなのだから、80%の感度(British Journal of Radiology (2005) 78, S3-s19)で・・・ってのがなかなか割り切れていて・・・



ちょっと変わったところは、Integrative Therapyとして、mind-body modalityに関する推奨を行っている。

たとえば、肺癌に関する不安、気分障害、慢性疼痛に対するアプローチである。
マッサージ治療は、不安・疼痛のある患者で推奨。鍼治療を拾う、呼吸苦、化学薬品有機性神経障害、疼痛、吐き気・嘔吐がコントロールできない患者で推奨している。
化学治療による吐き気・嘔吐に対する電気刺激リストバンドは推奨されなかった。

by internalmedicine | 2007-10-22 15:48 | 呼吸器系  

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