4T研究:二型糖尿病SU剤使用不良コントロール例の次なるインスリン使用法は?

レベミル注300や、レベミル注300フレックスペン(ノボ)が薬事・食品衛生審議会薬事分科会 10月3日 に出された(pdf)。


糖尿病臨床上、重要と思われる報告を見逃していた。・・・・ "4-T" Trial


Jorunal Watchで気づいた。

数ヶ月以上2剤以上の経口薬最大投与後もHbA1cが7%を超える場合はインスリン治療をした方が良いというのが糖尿病専門家の多くの意見(Diabetes Care 29:1963-1972, 2006)。

4Tトライアルでは、SU剤投与患者に、長持続性インスリン1日1回うちのような基礎分泌補充型より二相性二回打ち、食事時投与三回打ちする方が糖化ヘモグロビン値は改善したが、低血糖事故が多かった。一回打ちの容易さをともにNEJMの著者、エディターとも二型糖尿病のインスリン導入は一回打ちがベストなアプローチであるとしている。一回打ちの基礎分泌レジメン(basal regimen)でコントロール不良の場合、より複雑なレジメンを行えばよいというもので、このトライアルが二年後に行われるとのこと。前述のエディターは、glargine(Lantus)がインスリン基礎投与として好ましいと書いている。detemirより若干長い作用時間でピークが低いことからである。detemirはSU剤との併用は好ましくない可能性もあるとのこと




Addition of Biphasic, Prandial, or Basal Insulin to Oral Therapy in Type 2 Diabetes.
N Engl J Med. September 21, 2007.

SU剤+メトフォルミン投与にて2型糖尿病で、糖化ヘモグロビン7%-10%(平均8.5%)の成人。大きな低血糖発作を繰り返す人を除外

経口薬剤を継続し、さらにランダムに分けた
1日2回二相性インスリン aspart 30 (NovoMix 30)
1日3回食事に合わせた insulin aspart (NovoRapid)
1日1回(必要なら2回)のbasal insulin detemir (Levemir)

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あとはプロトコールで特異科した用量設定調整、血糖モニタリング、受診フォロー


平均HbA1c低下は二相性インスリンおよび食事時インスリン (約1.3%)で、基礎分泌インスリン投与群 (0.8%)より有意に減少した。
HbA1c≦6.5%比率は二相性インスリン(17%)、食事時インスリン(24%)で基礎分泌分インスリン投与群(8%)より多かった。

二相性インスリン、食事時インスリン投与はHbA1cが8.5%を超えている患者で主に良好となり

低血糖症状は二相性インスリン投与群より食事時インスリン投与群で起きやすく、基礎分泌インスリン投与群より二相性インスリン投与群で生じやすい。

体重増加は基礎分泌投与群の方が他の2群より少ない。

by internalmedicine | 2007-10-24 10:44 | 動脈硬化/循環器  

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