高PM25地域では肺機能良好な状態での喘息発症を増やす
2007年 10月 31日
1987年の法改正により第1種指定地域の解除が行われ、大気汚染に係る新規患者の認定は行われないこととなった
それ以前に続いた日本の公害対策が積極的な時代から、中曽根政権に代表されるその反動政策のため、日本の公害被害への対応は交替したように思える。東京都知事はPM25に私的に関心あるようで、メディアでも一部取り上げられたが、立ち消えになるテーマである。
呼吸器の世界ではすでに常識となっているPM25の問題、国はこの対策を行わなければまた不作為の責任を問われ、税金が消えていくことになる。そして役人は責任を問われず・・・天下り、政治家はほおかむり
Relationship between air pollution, lung function and asthma in adolescents
Thorax 2007;62:957-963
大気汚染、肺機能、小児喘息頻度の関係は確立しつつあるところである。
新規喘息発症と肺機能が関連有るか、大気汚染暴露がどのように関わるかの研究
喘息、喘鳴無しの9-10歳の子供のコホート研究で、8年間のChildren’s Health Studyというもの
気道の気流程度は新規発症喘息と相関
FEF250-75において10パーセンタイル、90パーセンタイル(57.1%)以上は、新規発症喘息のオッズ比0.50(95%CI 0.35~0.71)
この肺機能良好である予防的効果はaerodynamic diameter<2.5 μm(PM2.5)の濃度が高いほど減少する
FEF25-75の10、90パーセンタイル範囲以上の場合、新規喘息発症ハザード比は0.34(95%CI 0.21-0.56)で、低PM2.5地域(<13.7μg/m3)で0.34 (95% CI 0.21 ~ 0.56)、高PM2.5地域 (>=13.7 µg/m3)で0.76(95%CI 0.45~1.26)
同様なパターンがFEV1でもみられた
オゾンではハザード比の変動は小さい
by internalmedicine | 2007-10-31 11:44 | 呼吸器系