若年成人では筋ストレッチは運動後遅発性筋肉痛を減少させない。やっぱり、運動後マッサージ?
2007年 11月 02日
年取るほど、delayed onset muscle soreness(DOMS)って、実感してしまう。運動直後には平気だが1日どころか、2日後3日後にやってくる筋肉痛。
ストレッチはさほど有効ではなさそうだ。
Stretching to prevent or reduce muscle soreness after exercise
Cochrane Database of Systematic Reviews 2007 Issue 4
delayed-onset muscle soreness (DOMS)の予防治療のため運動前、あるいは後のストレッチのランダム化、疑似ランダム化トライアル
10の研究のうち、9つで標準運動プロトコールで行われ、一つはフットボール後における運動後ストレッチ。すべての患者は若年成人。3つの研究で運動前ストレッチで、7つは運動後ストレッチ。2つの研究で、運動後で、2時間以上の間隔を開けて繰り替えしおこなったもの。
単一セッションのストレッチング時間は40-600秒
すべての研究は10-30程度の小規模なもので、疑問の残る質の研究である。
ここの研究のストレッチングの効果は非常に少なく、研究間での結果の一致性は高い。
運動前ストレッチは、運動後1日目の平均疼痛減少は、100ポイントスケールで0.5(95%CI -11.3 ~ 10.3; 3研究)と推定。
運動後ストレッチは、運動後1日にて平均100ポイントスケールで1.0(95%CI -6.9 ~ 4.8;4研究)。運動後半日から3日の間同様な効果であった。
ストレッチは運動後の筋肉痛を減少させる。多くの人々はスポーツなどの体を動かす前や後にストレッチをする。通常、外傷リスク減少のため、運動後の筋肉痛を減少させるため、運動能力を増すために行う。
今回のランダム化トライアルでは運動前後のストレッチでは筋肉痛の効果に関して小規模であり研究の質にも疑問があり、その効果を確認ができなかった。
ストレッチの外傷予防効果や運動能力改善に関してはこのレビューでは調べられてない。
ゴルフ後風呂場で足をマッサージするのは筋肉痛予防に良いような気がするのだが・・・
Does post-exercise massage treatment reduce delayed onset muscle soreness? A systematic review
British Journal of Sports Medicine, Vol 32, Issue 3 212-214
ちなみに、マッサージのadverse eventsは、脳血管アクシデント、尿路ステントの移動、腎臓塞栓、血腫、下肢潰瘍、神経ダメージ、posterior interosseous (nerver) syndrome、偽性動脈瘤、肺塞栓、尿管破裂、頸部の絞扼、甲状腺機能亢進症、様々な疼痛症候群との記載があるが、まあその頻度はきわめて稀とのこと(Rheumatology 2003; 42: 1101-1106)。
by internalmedicine | 2007-11-02 14:47 | 運動系