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"神の手”や“名医”よりシステム:RACEプロジェクト 州内心筋梗塞治療システム

テレビをつけると、最近は"神の手”や“名医”の大安売りで、これは、優れた一人の医者がいれば、医療問題は解決するとでも思っている、大いなる勘違いが、世に満ちていることを示していると思う。医療というのはチームで行うものであり、できれば地域の多数の医療機関などが他職種的に共同すればよりよい効率的な医療が行われるはず。


マスとして考えれば、凡庸な医者をいかにして、システミックに構築して、医療全般の質を上げることで、国民の医療の満足度を上げるかが行政だと思うのだが、厚労省などは財務省の言いなりで、医療費を縮小すれば良い官僚と勘違いしているようである。


心筋梗塞を含めた冠動脈疾患は、世界的に死亡率のトップであろう。USでは自動車事故の3倍ほどにその死亡率がなっている。外傷と同様STEMIは特異的治療、迅速な治療により合併症、死亡率の改善するが、再潅流治療の最大メリットを有するにはあまりに再潅流治療までの時間が遅すぎることが知られていた

北カリフォルニアで行われたRACE projectは、医師・看護師・病院・救急サービス勤務者がともに迅速な医療供給を目指すことで心臓発作の患者の治療に有効に働いたという報告は別に目新しい薬剤や新しい医療機器を用いたというわけではない。救急サービスの力も借りて、時には受診前に診断がなされることさえあり、本来、競争者が協力者となり、共同的な医療を行うもの

北カリフォルニアの65の病院、関連するEMS(医療救急サービス)が参加し、一つの目標、すなわち、“とにかく速く医療を”ということで団結した。

RACEプログラムにおいて医師たちは“move care forward“という選択を約束し、“Moving care forwar“はできるだけ多くの仕事ができるよう最初のresponderが仕事をすることとなる。パラメディクスはER医師の仕事をするべく訓練さえ、ER医師たちは心臓専門医の仕事を訓練される。フィールドからはいる一本の電話で、カテーテルラボにチームを動員させ、病院は心臓発作のための入院をたとえベッドがなくても必ずさせなければならないというもの(カテーテル室前で待たされる自体は起きないのだろうか?おそらくコーディネーターくらいはいるはず・・・)

2年にわたり2000名の情報を収集し、検討した論文である。RACE leadershipとしてシステミックなプランを確立し、無数の地域、区域、州ごとのミーティングでサポートされ、地域のリーダーとともにカンファレンスをするなど。少なくとも週ごとのカンファレンスが行われ、全ての進行状況はRACE leadershipたちにレビューされる。


日本人は集団行動は元来特異だったくせに、マスとして自分を考えるのは不得意のようで、医療に関しては、医者個人の総攻撃あるいは持ち上げに終始する。


さて、STEMIに対する再潅流療法地域的システムの州規模のプログラムでQOLを有意に改善したという報告がJAMAの`Early releaseされている。

STEMIの生命予後・合併症減少を導くための再潅流療法を確実にするため、さらなるリサーチが必要

Implementation of a Statewide System for Coronary Reperfusion for ST-Segment Elevation Myocardial Infarction
JAMA. 2007;298:(doi:10.1001/jama.298.20.joc70124).

* ドアから入血管形成病院までの時間中央値は85分→74分に短縮(22%)

* ドアから血栓破壊治療までの時間中央値は35分→29分へ短縮 (17 %)

* door-inからdoor outの時間中央値は120分から71分へ短縮(41 %)

* 紹介元病院到着から受け入れ先病院での治療開始は149分→106分と短縮(29 %)




日本でも、むかしから、CCUネットワークなどなされているが、これに比べれば小規模だし、本格的でもない。行政が本格的に金を出すならこういうシステムは有効に機能するかもしれない。
ただ、各医師や各医療機関がイニシャチブをとってとなると、疲弊した現場ではなかなか難しいだろう。厚労省は医者を完全に無気力にした。

by internalmedicine | 2007-11-05 12:19 | 動脈硬化/循環器

 

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