運動は心不全患者の筋肉ダメージを修復する

心不全患者では心筋だけでなく骨格筋も障害されているらしい。心不全での運動リハビリテーションの重要性と合わせ、幹細胞レベルに近い修復機転がが働くが働くという面で興味深い


Exercise helps repair muscle damage in heart failure patients
AHA News 11/07/2007

一つ目の紹介研究(abstract 3797)では、健康成人と比較して、心不全患者では筋肉のprogenitor cellの数が半減していると、Linkeは述べている。中等度から重症の心不全の平均年齢56歳の50名の男性で、運動耐容能低下している大腿外側の外側広筋の生検を行い、25名では不活動のまま、25名は個別化した理学療法スーパーバイズ下のendurance exercise program施行。

1日30分少なくともstationary bikeで、ピーク運動能力の約半数のペースで通常2つのセッションに分けて行う。


6か月研究の最後で、progenitor cellのレベルは不変で、運動群で有意に変化あり:progenitor cellの総数は109%増加(progenitor cellは、c-kit: protein markerで判断するとここでは定義)

筋肉に分化するProgenitor cell( (c-kit/MEF2+ markerで同定) )は166%増加

活動的に新規細胞に分裂し、筋肉ダメージ修復に働くProgenitor cell (c-kit/Ki67+ protein markerで同定) は6倍に増加


運動により、前駆細胞の数がほぼ正常化し、再度分裂を始め、筋細胞へ分化を開始する・・・心不全の患者に必要なのは、(新しい)筋肉で置き換えることとLinkeは述べている


この6か月の運動プログラムの参加者はまた気分が良くなり、運動能力が20%ほど増している。心臓のc-kit+細胞があるが、同様の変化があるのかどうかは今回は不明。

2つ目の研究 (abstract 3796)では、研究者は血管内皮前駆細胞は骨髄から作られ、血中で循環していることを示した。これらの細胞は血管ダメージ修復を手助けし、血管新生の過程で新しい血管の枝を萌出させる。

心不全では、血管構造は障害され、筋肉内の血管は正常に拡張しない、小血管(毛細血管)の数自体が減少する。

37名の平均65歳の重症心不全男性に12週運動トレーニングと不活動を割り付けし、大腿四頭筋の生検と採血を行い、循環中の前駆細胞 (CD34+ markerで同定)が47%増加していた。血管内皮へ分化する循環中前駆細胞(CD34/KDR+ markerで同定)は有意に199%増加する。
循環中前駆細胞の機能的活動性(migratory capacityで測定)は149%増加した。
骨格筋内の毛細血管密度は有意に17%増加。

もし中等度から重症心不全なら、運動療法のベネフィットがあるだろう。筋肉再生と血管の形成という面からもベネフィットがある。

by internalmedicine | 2007-11-08 15:26 | 動脈硬化/循環器

 

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