ジェネリック価格の高止まりの疑問

以下のNEJMの総説が米国のジェネリック事情が書かれているので参考にどうぞ
フリージャーナル

The Ongoing Regulation of Generic Drugs
New Engl J Med. Vol. 357:1993-1996 Nov. 15, 2007 No. 20


アメリカでのジェネリックの問題点がみられ、特に、3,4)あたりに対して法的規制が考慮されているようである。
1)ジェネリックメーカー同士の価格統制問題(独占禁止法)
2)D錠やOD錠などの若干の剤型の違いでその特許延長をはかる動き
3)先発メーカーがあらゆる先述を使い多くの告訴を行いジェネリック上市を阻む動き
4)「先発メーカー認定付きジェネリック」という形で各訴訟を介した形で先発会社への利益供与薬品など


日本でも似たり寄ったりだと思うが・・・特に、後発メーカー同士仲良くコマーシャルしている自体見ると・・・価格統制などあるのではないかと疑ったりするのだが・・・

米国のジェネリック薬品は、1984年"Drug Price Competition and Patent Restoration Act" や ”Hatch–Waxman Act”で、ジェネリック薬が先発に対抗できるようにした。この法律により処方の18.6%がジェネリックだったのが、現在63%と増加している。
コンシューマーにとって安ければその分節約となる。


確かに、コンシューマーにとって薬剤が安ければその分節約となり、大変結構なことだろう。

先発品は各権利を会社が履行している間に投資回収をしてもらい、その後は処方薬剤に価格競争に参入してもらうという算段

確かに、参入メーカーが多いほどやはり価格は下がる



・・・だが、物事はそう簡単ではない。


企業は利益を生むように動く・・・私が問題だと思うのは厚労省が本格的にジェネリック促進に寄与しだしてからむしろジェネリック薬品は高くなったのである。ほぼ先発品の7割程度で、むしろ、8割程度に近くなっている。これでは後発品のメリット自体がなくなっている。

これは厚労省の薬価規定が現状の市場価格により設定されるため、その差益を得るため維持するため、価格を高止まりにしているのである。寡占へのインセンティブの危険性が日本にはあるのである。すなわち、大手ジェネリックを保護しすぎて、結局、価格統制がされ、ジェネリックの利点である薬価自体が下がらないのである。


日本の官僚は、表面的な公聴会だけで、国民の意見は聞いているぞというふりをしているだけ・・・亡国の徒=馬鹿官僚でも、今後生じるであろう問題点をちっとも理解してないというか、する努力もしない。


ジェネリックメーカーの品格の問題もある。
欧米主要国では、すでにジェネリック医薬品が50%以上のシェアを占めています。
この表現で、処方箋比率と薬価ベースの処方金額をミスリードするジェネリック会社


前述のごとく、
アメリカでは現在処方の63%がジェネリック薬であるが、営業金額では16%である。


そして、「料金が半額で、しかも先発品と同じ効き目なんだってね」なんて破廉恥なコマーシャルを未だに流し続ける会社の問題







先発製薬会社が法的手段をいろいろ用いてジェネリックに妨害をかけ、最後にはそれを避けるため先発会社と後発会社

by internalmedicine | 2007-11-15 14:27 | 医療一般  

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