肥満者は血中の血漿量増加と関連してPSA値低値となりやすい

Obesity-Related Plasma Hemodilution and PSA Concentration Among Men With Prostate Cancer
JAMA. 2007;298(19):2275-2280.
前立腺癌の検診はBMI増加に関して負の影響を与えているということが最近のエビデンスから持ち上がってきた。

Duke University Medical Centerの研究者たちは、血液希釈とPsAの関係について1998-2006年までの前立腺癌肥満男性、 Shared Equal Access Regional Cancer Hospital (n = 1,373)、 Duke Prostate Center (n = 1,974)、 Johns Hopkins Hospital (n = 10,287)において検討


BMIは有意に全ての研究対象一般住民において血漿量と相関する。

BMI35以上の男性は正常体重の21-23%ほど血漿量が増加する

多因子臨床病的因子補正後、高BMIは低手術前PSA濃度と相関する。

BMI35以上の男性は正常体重11%-21%PほどSA濃度が低くなる。

3つの異なる前立腺癌コホートにより、根治的前立腺癌切除治療患者、血漿量増加による血液希釈によりPSA濃度減少を高BMIの人たちでは認める。

この関係を前立腺癌のない人もいる検診・前向き研究でさらに評価する必要がある。





この関係って、他のマーカーや採血値でも同様の関係がないのだろうか?

妊娠において循環血漿量とGFR増加はかなり昔からの既知現象(Cancer Epidemiology Biomarkers & Prevention 16, 1720-1723, September 1, 2007.)なのだが、微妙な値でチェックするPSAなのだからこういうことも斟酌材料になってしまったのだろうか?

・・・・宿題として残しておこう

by internalmedicine | 2007-11-21 11:33 | がん  

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