肥満治療薬のメタアナリシス

やせ薬は確かに効果があるようだが、心血管リスクを有する患者に対して異なる効果をもたらし、特異的な副作用を有するようだ。

orlistat；商品名[ Xenical ]，化学名 1-(3-hexyl-4-oxo-oxetan-2-yl)tridecan-2-yl 2-formylamino-4-methyl-pentanoate は，食事からの脂肪の吸収阻害による膵リ. パーゼ阻害薬（lipase inhibitor）である。

sibutramine；商品名[ Reductil ], 化学名　1-(4-chlorophenyl)-N,N-dimethyl-a-(2-methylpropyl)-cyclobutanemethanamineで、amphetamineに類似した、セロトニン、ノルエピネフリン、ドパミンなどの神経伝達物質再吸収阻害剤（centrally acting monoamine reuptake inhibitor）である。

rimonabant；商品名[Acomplia], 化学名　5-(4-Chlorophenyl)-1-(2,4-dichloro-phenyl)-4-methyl-N-(piperidin-1-yl)-1H-pyrazole-3-carboxamideで、CB1 cannabinoid receptor inverse agonist（ endocannabinoid receptor antagonist）で、主に食欲減退を目的としている。

Research
Long term pharmacotherapy for obesity and overweight: updated meta-analysis
BMJ, doi:10.1136/bmj.39385.413113.25 (published 15 November 2007)
1－4年間の３０トライアルをクライテリア合致例とした。

16のorlistat (n=10 631 participants)
10のsibutramine (n=2623)
4つの rimonabant (n=6365)

このうち１４トライアルは新しいもので、１６は以前からあったもの

減少率は平均30－40％

プラセボ比較体重減少

orlistat　2.9 kg (95% 信頼区間 2.5 kg ～ 3.2 kg)
sibutramine　4.2 kg (3.6 kg ～ 4.7 kg)
rimonabant　4.7 kg (4.1 kg ～ 5.3 kg)

薬物治療群は有意に体重減少閾値５％、１０％体重減少率に到達した。


Orlistatは糖尿病発生を減少し、血中の総コレステロール、ＬＤＬコレステロール、血圧、糖尿病の糖コントロールを改善したが、胃腸系副作用率の増加をもたらし、ＨＤＬコレステロール低下が若干見られた。


SibutramineはＨＤＬ、中性脂肪を低下させ、血圧、脈拍を増加させた。


RimonabantはＨＤＬと中性脂肪、血圧、糖尿病患者の糖コントロールを改善したが、情緒疾患のリスクを増加させた