GpIIIa Gene A2 alleleは独立した男性のLVD卒中要因

これからの卒中予防にはGpIIIa遺伝素因の考慮が重要かも

────────────────────────────────
男性のアテローム血栓型脳卒中でGpIIIaのA2 対立遺伝子の多型が関与。

A2 Alelle of GpIIIa Gene Is a Risk Factor for Stroke Caused by Large-Vessel Disease in Males
http://stroke.ahajournals.org/cgi/content/abstract/35/7/1589
(Stroke. 2004;35:1589.)
【背景】Glycoprotein IIIa (GpIIIa) は、フィブリノーゲンやvWFの血小板膜受容体である。これは血小板凝集のカギ。卒中原因の特異的サブタイプ解析せずの卒中患者のいままでの研究で、GpIIIa A1/A2 polymorphismと卒中リスクの関連は認められなかった。
異なる卒中原因による卒中患者のGpIIIa gene A1/A2 polymorphismの重要性についての研究
【方法】大血管疾患に由来する卒中(LVD stroke)の92名、184名のマッチされた対照;小血管由来の103名の卒中患者(SVD stroke)と206名の対照;心臓血栓を有する182名の(CE stroke)と182名の対照をgenotype測定。(TOAST criteria)
GpIIIa A1/A2 polymorphismを制限酵素処理と電気泳動を加えたPCRで分析
【結果】GpIIIa genotypeの分布はLVDと他の対照と異なる
LVD:A1/A1, 63%; A1/A2, 34.8%; A2/A2, 2.2%
対照:A1A1, 79.3%; A1/A2, 20.1%; A2/A2, 0.6%

SVDでは同様。

LVD卒中女性とは異なり、LVD男性では対照に比較して少なくとも1つのA2 alleのoverreplresentatonを認めた(39.7% versus 23.0%; P=0.003)。

条件ロジスティック解析で少なくとも1つのA2 alleleを有することは男性のLVD卒中の独立したリスク要因であることが示された(OR, 2.51; 95% CI, 1.21 ~ 5.20).。

【結論】GpIIIa Gene A2 alleleは独立した男性のLVD卒中要因



TOASTクライテリア

(1)皮質下の小梗塞(ラクナ梗塞、最大径1.5cm以下)“1.5cm未満の明瞭な梗塞のないもの”
(2)皮質下の中~大梗塞(アテローム血栓型、最大径1.5cm以上:“major brain artery or branch cortical artery”)


今後、卒中の発症に関する介入治験は、男女差を含め、GpIIIa Geneを考慮しなければならないようですねえ。

by internalmedicine | 2004-07-13 14:45 | 動脈硬化/循環器  

<< 2型糖尿病の治療としてのやせ薬... ACIP インフルエンザワクチ... >>