挿管チューブは声帯下吸引チューブつきを!

声門下吸引チューブ(subglottic secretion) の有効性って今でも議論対象なんだろうか?・・・当たり前だと思ってた。確かに気管切開チューブはボーカレイドという形で存在する


しかし、挿管チューブでは普及していない。

早期発症のVAP(ベンチレーター関連肺炎)の予防効果が認められた。ただし、遅延性の肺炎には影響なしということであったが、両者にその予防効果が見られた。

今後は挿管チューブは吸引部分のあるものを使うこと!というあたらしいエビデンスが加えられたことになる。

ポリウレタンカフ+endotracheal tube with polyurethane cuff and subglottic secretion drainage (ETT-PUC-SSD)


Influence of an Endotracheal Tube with Polyurethane Cuff and Subglottic Secretion Drainage on Pneumonia
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Vol 176. pp. 1079-1083, (2007)

気管内吸引サンプルを挿管中週2回と抜管時に採取

VAPは
従来チューブである対照であるETT-C群:31 / 140 (22.1%)
ETT-PUC-SSD群:11 / 140 (7.9%)
(P = 0.001)


Cox regression analysisではETT-Cは全般的VAP(ハザード比 3.3; 95% CI, 1.66–6.67; P = 0.001)、早期発症VAP (HR, 3.3; 95% CI, 1.19–9.09; P = 0.02、後期発症VAP (HR, 3.5; 95% CI, 1.34–9.01; P = 0.01)のリスク要因であった。


こういう実践的研究をまじめにするのはやはりアメリカだなぁ・・・ここだけは感心する


日本の臨床でも根拠なき悪習慣を排除したり新たなる工夫の効果を確認する研究をもっと評価し、ひろげてほしいものだ

by internalmedicine | 2007-11-28 11:21 | 呼吸器系  

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