メディア・バイオレンス:CDC専門委員会発表分

メディア・バイオレンスに関して恣意的なのか、なんなのかしらないが、ほとんど無視する日本・・・メディア関係者だけでなく、教育・医療の専門家たちまで無視である。かたや“ゲーム脳”なんて造語をかたる根拠なき学者の存在が、このメディア・バイオレンス議論を封じこめてしまったと感じている。

オンラインメディアの規制には盛んなようだが、テレビをはじめとしてメディア上のバイオレンス・シーンの規制には不熱心・・・どころか恣意的な回避のような気もする。

メディアバイオレンスのレビューとガイドライン Lancet 2005-02-20 22:24 など以前から取り上げている。これはイギリスUniversity of Birminghamのレビューであった。


MedPage Today(R)の解説記事になっている。
CDCによる2006年9月の専門家会議のサマリー上にミシガン大学のL. Rowell Huesmannという方が、1963年以来行われた41の研究をレビューしたものをベースにして、今回出版された。

“メディア・バイオレンスは視聴者やゲームプレイヤーに対して短期長期的に暴力的行為にはしらせやすい”ことの圧倒的エビデンスを提示した。

Worthen M, "Education policy implications from the expert panel on electronic media and youth violence" Journal of Adolescent Health 2007; 41: S61-S63.


メディアバイオレンスは、喫煙シーン同様の脅威であり、性病HIVや子供の鉛中毒・アスベスト中毒より総数としては脅威となる。
大きな研究本体は2つの大きな効果を示すものとなった
1)視聴者に暴力行為を犯す蓋然性を増加させる
2) 生涯において後年暴力的反応を示す尤度を増加させる



Huesmann博士は2つのメタアナリシスにより、長期サイズのメディアバイオレンスの影響とその後の攻撃的、暴力的行動の関連は0.20~0.30程度であると解析。

攻撃行動の個々の変数のわずか4%~9%しか説明し得ないと述べているヒトもいるが、パーセンテージの差は、高い社会的コストをもって低頻度の予測としては不適切な統計を用いていたからだと説明した。

たとえば、攻撃性のオッズ比0.3の係数では50/50から65/35へ変容させるもので、生命危機的行為に関係する場合は些細なものではない。

博士は、マスメディアは子供や青少年に新しいタイプの脅威を与えるのではないが、現在存在する脅威をより広範な人達へ影響をもたらすのである(隣の普通の人が暴力的犯罪を起こすなど・・・)

「悪い隣人を持つ子供のよう、あるいは、ストリートに出かけ悪事をしがちな悪い友人といるようなもの」で、「バーチャルな柄の悪い街は多くの若者が現在安易に出会うことのできる状況にある」と述べている。
「“バーチャルな柄の悪い街”(virtual bad street)は“media ortrayals of violence”で そこは正当化も、処罰もできないやっかいな場所だ。」




Maria R. Worthen, M.S.W(U.S. Department of Education)は、学校は電子メディアの安全な使用法について積極的に教育すべきであると述べている。

「テレビは多くの若者の身近にあるものであり、多くの学校はテレビ・ビデオ番組を教育手段として用いている。故に、電子メディアを嗜好する道具として生徒に教えることに反応性の良いガイドとなる。」


"学校はメディアリテラシーを若者が不可避なメディア上のバイオレンスシーンを見ることがあるので、批評的に視聴できるようにし向けなければならない・・・・”

"教育者自身がハイエンドとなり、 子供の電子的装置使用によりなじむべきである。”

“2つの方法がある・・・一つはソーシャルネットワーキングサイトを検索すること、もう一つは電子メディアについて子供との対話を確立することである”

by internalmedicine | 2007-11-30 10:45 | メディア問題

 

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