ED診療プロセス

日本でも、バイアグラ(クエン酸シルデナフィル)、レビトラ(塩酸バルデナフィル)、シアリス(タダラフィル)が出そろったわけだが・・・真の診療になっているか診療側も自問する必要があろう。

診療時、SHIM(IIEF-5)質問票(http://www.hulinks.co.jp/software/cart/section04.html)などによる評価は当然であるが、診療プロセスを確認することが必要であろう。

診療ガイドラインも参考に
J Urol 2005;174:230-239.J Sex Med 2004;1:6-23.

Erectile Dysfunction
N Engl. J Med. Volume 357:2472-2481 Dec. 13, 2007 No. 24


EDのリスク要因
・メタボリックシンドローム(血管内皮障害とNO合成のdown regulation)
・下部尿管症状・前立腺肥大(ペニス・膀胱・前立腺でのNO合成障害)
・喫煙(ペニス血管内皮機能障害)
・中枢神経異常
・脊髄損傷
・うつや社会的ストレス、夫婦関係
・内分泌状態(テストステロン介入NO合成のupregulation;高プロラクチンによるPPAへの影響など)
・糖尿病(自律神経・血管内皮障害)


ED関連薬剤
・利尿剤(サイアザイド、スピロノラクトン)
・降圧剤(CCB,β遮断剤、メチルドーパ、クロニヂン、レセルピン、グアネチヂン)
・心臓・コレステロール薬剤(ジゴキシン、gemfibrozil、clofibrate)
・抗うつ薬(SSRI、三環系抗うつ薬、リチウム、モノアミン阻害剤)
・トランキライザー(Butyrophenone、phenothiazien)
・H2拮抗薬(Ranitidine、cimetidine)
・ホルモン(プロゲステロン、エストロゲン、コルチコステロイド、LH-RH、5α-redutase阻害剤、cyproterone acetate)
・細胞障害性薬剤(Methotrexate)
・免疫調整剤(Interferonα)
・抗コリン作動製薬剤(Disopyramide、抗けいれん薬)
・嗜好品(アルコール、コカイン)


診療プロセス

PDE5阻害剤を必要とするED患者


禁忌はないか?
・冠動脈リスクが高度もしくは中等度?
・亜硝酸剤使用?
・Retinitis pigmentosa?
・Nonarteric anterior ishemic optic neuropathy?


上記項目あれば使用禁止


初期投与量
・中等量からスタート
・sidenafil 50mg
・tadalafil 10mg
・vardenafil 10mg

・患者に性的活動前の1-2時間前に服用するよう指導
・精神的(fantasy)・身体的刺激(ペニス性)で内因性のNOを刺激することで良好な結果を得ることができる
・薬物は24時間以内に再投与不可


有効
もし副作用(頭痛、flushing、dyspepsia、GI症状、nasal congestion、+視力障害、皮疹(sildenafil)背部痛・筋痛(特にtadalafil))が出現したら低用量もしくは中止の判断を


無効 下記対処で有効だったとき ↑
反応が得られない場合
・少なくとも6日最大用量でトライアルを行う
・食後2時間少なくともあけて服用する(特にsildenafilとvardenafil)
・未発見の性腺異常の可能性

by internalmedicine | 2007-12-13 08:45 | 医療一般  

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