除細動治療予防カテーテル焼灼術

カテーテル焼灼術がICD植込患者の除細動回数を減らしたということの意義は大きいとのこと!

ランダム化トライアルにおいて、心筋梗塞・除細動植込を経験した突然の心室性不整脈既往のある患者を不整脈目的のカテーテルablationと無介入に割り付けた22ヶ月にて、ablation群で12%、対照群で33%少なくとも1回は除細動治療をうけた。



除細動予防的カテーテル焼灼術
Prophylactic Catheter Ablation for the Prevention of Defibrillator Therapy
N Engl J Med.Vol. 357(26):2657-2665 Dec. 27, 2007


心筋梗塞既往の患者で、不整脈突然なエピソードをもつ場合、心室頻拍や心室細動によりその後の突然死リスクは高い。植込型除細動(ICDs)は死亡率を減少させこの種の患者の治療の主役となっている。
しかし、ICDsは心室性不整脈を根治しているわけではない。除細動放電(ショック)は痛みを伴い、ショック前に失神を生じることがある。結果、50%超の患者で不安・うつなどを生じる。(追:それに車の運転ができないなどの社会的復帰への不満などもあるようだ)

故に、心室性不整脈を完璧に押さえ込む方法が望ましいのだが、今のところない。
次善策としてのカテーテル焼灼術がひとつのオプションとして浮上するわけである。


マッピングシステムの発達により、工夫が広がっている。実際Substrate(基質)マッピングを用いた手術的焼灼術は心室性頻拍・細動両方のコントロール成功をもたらしている。

Substrate Mapping and Ablation in Sinus Rhythm to Halt Ventricular Tachycardia (SMASH-VT) study(Reddy VY, Neuzil P, Richardson AW, et al. Final results from the Substrate Mapping and Ablation in Sinus Rhythm to Halt Ventricular Tachycardia (SMASH-VT) trial. Heart Rhythm Society 2006 Scientific Sessions; May 20, 2006; Boston, MA. )が行われ、ICD治療頻度を減らし、安全性も示された。


以上の経過をふまえての研究である

ref.
Substrate Mapping and Catheter Ablation of Ventricular Tachycardia after Right Ventriculotomy:Circulation. 2007;116:2236-2237

by internalmedicine | 2007-12-27 09:49 | 動脈硬化/循環器  

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