トリインフルエンザのヒト感染は受容体のtopologyが重要
2008年 01月 07日
ヒトの呼吸細胞の表面の特異的形態を持つ受容体の一つに結合できるかどうかの違いであるという
Nature Biotechnology 1月6日号に掲載された仕事
(記載時点ではまだこの号ウェブ掲載されていない)
解説の部分訳(http://www.eurekalert.org/pub_releases/2008-01/miot-mfk010208.php)
H1、H3と知られるウィルス種はトリからヒトへジャンプする。H5は通常トリに限定されているが、ヒトに感染したとき高い致死率を示す。最近10年H5N1のヒトへの孤立性の流行が報告され、ヒトヒト感染を生じたときおそろしいpandemicをもたらすかもしれないということで関心が高まっている。
科学者阿智は、ウィルス表面の蛋白であるhemagglutininが呼吸系の糖(or glycan)受容体へ結合するかどうかがヒトに感染するかどうかの鍵ということが分かっていた。
ヒトの呼吸器系細胞はα 2-6と分類されるglycan受容体を有しており、トリ呼吸器細胞はα 2-3である。
これまで、科学者たちはα 2-3受容体に変わりα 2-6受容体に遺伝子スイッチが生じることからヒトへのjumpが生じると考えていた。
MIT研究では、トリウィルスは特定の形態に対してより特異性があることを判明させ、topologyの重要性を示した。
α2-6は2つの形態からなり、一つは雨傘に似て、一つはconeに似ている。トリインフルエンザが雨傘の形をしたα 2-6受容体に結合しなければ人に感染しないことが分かった。
Sasisekharanらのチームはインフルエンザのホスト受容体とH5N1のヒトへのジャンプ感染する方法のクライテリアを再決定した。糖・非糖タイプの結合の形態が致死的ウィルスのヒトへのadaptationの決定因子ということが判明したのだ・・・・後略
by internalmedicine | 2008-01-07 10:05 | インフルエンザ