遺伝子操作にんじんでカルシウム吸収促進
2008年 01月 15日
遺伝子操作ニンジン摂取にてカルシウム吸収増加という話(http://agnews.tamu.edu/)
Texas A&M AgriLife’s Vegetable and Fruit Improvement CenterのニンジンということでTexas A&Mキャロットというらしい
Got Carrots? Vegetables May Have Bone to Pick as Calcium Providers
Baylor College of Medicineの研究で、骨粗鬆症予防に役立つ可能性を示唆
1サービングニンジンをとると、カルシウム吸収が41%増加するとJay Morris(Baylor College of Medicine、ヒューストン)が発表
1月14日のNational Academy of Sciences online editionで発表とのこと
(確認できないのだが・・・)
男女15名ずつで、sCAX1とよばれる加工ニンジン、もしくは、規則正しくニンジンを第1週摂取してもらい、2週後別のタイプのニンジンを食してもらう。
H+/Ca2+ transporter sCAX1 を含ませるようtransformしたニンジン
ref. http://arsserv0.tamu.edu/research/publications/Publications.htm?seq_no_115=197456
ベクターだけのものと比較してカルシウム50%吸収増加
生体利用可能なカルシウムレベルを増加させているのかどうかという疑問には、マウスの実験にて標識45Caにて、大腿骨への吸収に関して通常のカルシウムと差がなかったことで、治療的な意味があると説明している。
この人間での実験では、24時間尿サンプルにてカルシウム再吸収について評価
男女とも加工ニンジンからのカルシウムの再吸収増加した。しかし、カルシウムのベネフィットを得るために果物や野菜にこの技術を利用するためには広範な応用が必要となろう。
カルシウムの1日必要量は1000mgといわれ、ニンジン100gmのサービングからはわずか60mgで、約42%が吸収される。普通の人間にはニンジンだけで必要量をまかなうには無理がある。
より多くのカルシウムを含む野菜・果物なら、必要量に近くなる可能性はある。
なんでもかんでも人工的にしてしまおうという強引さを感じてしまうのだが・・・まあ、今後の議論になろう。一方、食糧危機に関して遺伝子組み換えを絶対駄目と言い続けられるのだろうかという疑問も片方にはあるし・・・
by internalmedicine | 2008-01-15 11:00 | 運動系