市中獲得MRSA USA300クローンの特徴
2008年 01月 16日
CA-MRSAは社会的脅威となりつつある。USA300は2000年以前には見つかっておらず、USA・カナダで38、ヨーロッパで9の広がりを見せている。壊死性筋膜炎、敗血症、心内膜炎、肺炎などの感染症を生じる可能性がある。このクローンはβラクタムと1-2の多剤に抵抗性である。古い世代の抗菌剤、クリンダマイシン、テトラサイクリン、ST合剤が比較的重症度の低いCA-MRSA感染症、合併症のない皮膚・軟部組織感染では推奨される。
Diepらが記載した(Lancet. 2006;367:731-9. )多剤抵抗性 USA300は、β-lラクタム、フルオロキノロン、マクロライド、クリンダマイシン、 mupirocinに抵抗性である。
erm CとmupAという抵抗性遺伝子2つが、マクロライド、クリンダマイシン、mupirocinへの抵抗性に関わり、pUSA03という大きなconjugative plasmidに含まれる(J Clin Microbiol. 2007;45:1350-2. )。
それで、USA300クローンの広がりと特徴をしらべたもの
後顧的研究の受動的報告でバイアスを考慮すべきだが、以下の特徴を報告
多剤耐性 USA300という、市中感染MRSAクローンを同定
サンフランシスコ地域でもっとも見られ、男性同性愛カップル同居世帯に多い
臀部、生殖器、会陰部が患部として多い
男性・男性性行がリスク要因
Emergence of Multidrug-Resistant, Community-Associated, Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus Clone USA300 in Men Who Have Sex with Men
Ann Int Med. Vol.148 (4) 19 Feb.2008
by internalmedicine | 2008-01-16 08:24 | 感染症