“急性悪化”の判断は一定か?
2008年 01月 30日
急性悪化はCOPD患者の気道の炎症性反応のさらなる増悪が生じ、細菌・ウィルス感染、環境汚染によっても引き金になる
本文では、
COPD急性増悪のメカニズムの知見は比較的少ない。軽症・中等度の急性増悪において好中球増加が見られ、喀痰・気道壁の好酸球も見られるという報告もある。TNF-γ、TB4、IL-8や酸化ストレスのバイオマーカーの増加をもたらすことと関連がある。 重症急性増悪に関しては気道の好中球が非常に増加し、ケモカインの発言が増加しているという報告はあるが、情報が比較的少ない。急性悪化中、過膨脹やair trapping、呼気流量の低下、呼吸困難回数の増加が見られる。換気血流不均衡の悪化と低酸素血症悪化が見られる
ここから急性増悪という判断は難しいのではないかと思う。
COPDでは急性増悪がその臨床的アウトカムになることが多くなった。そのとらえ方をつきつめればいろいろ不明だったことが分かってくるようだ
Counting, analysing and reporting exacerbations of COPD in randomised controlled trials
Thorax 2008;63:122-128
2000-2006年のLABA、LABA/ICS合剤の臨床トライアル分で検討した
COPD急性悪化の回数測定方法、分析方法、研究方法調査
22トライアル(17157名の患者)をクライテリア参入しレビュー
トライアル独自の裁定や独立したイベント判定はなかった。
研究薬剤を早期に中止した対象者をアウトカムデータの非分析とするselection biasが14/22(64%)に認められた。
人年あたりの急性悪化回数計算という時間配分解析をもちいているのは31%のみで、主観間のvariationを考慮していたのはわずか15%であった。
COPDのCanadian Optimal Therapyでは人年あたりの急性悪化率は0.85で、これは時間配分分析を含むものであった。これを斟酌しない場合は0.46となり過大評価することとなる。
by internalmedicine | 2008-01-30 09:40 | 呼吸器系