Oncogeneと癌

N Engl J Med. Vol. 358:502-511 Jan. 31, 2008

腫瘍のinitiationとprogressionに関連するoncogeneを同定することは新しい抗ガン剤の開発に対するターゲットとなる。oncogene産物に影響するいくつかの新薬、小分子、モノクローナル抗体が開発されつづけている。
ABL、KIT、EGFR、ERBB2の酵素活性を抑制する小分子へ影響を与える研究も進んでいる。ただ、oncogene産物が酵素ではない場合は、新しい薬剤の開発は困難である。

ターゲット治療のadvantageは増殖と生存に関わるoncogene産物に依存するガン細胞である。ガン細胞はは正常の細胞より治療に感受性を有することとなるのだが、全てのターゲットがまだ明かというわけではない。多くのターゲットを有する多剤開発が予見できる。
microRNAの関与が認めらrこれがターゲットとして加わることが期待できる。

MicroRNA遺伝子
癌では他の遺伝子と違い、蛋白をencodeしていないが、21-23ほどの核酸を有するsingle RNAでなりたち、遺伝子発現調整の役割を果たす。microRNAの配列を補完する核酸を有するmRNAへ焼き戻し(anneal)することができるものである。


MicroRNA (miRNA) はRNAポリメラーゼ(pol)IIでほとんどtranscriptされ、それより頻度が少ないがRNA plo IIでもtranscriptされる。Primary transcript(pri-microRNA)はきわめてサイズが大きい。pri-microRNAは、DroshaとDGCR8を含む酵素的複合体により核内でスプライシングの間、プロセスが進行する。次第に70-100核酸のような小型となり、pre-microRNAとよばれるhairpin precursorとなる。
second precursorはexportin-5と核内で結合し、形質内に輸送され、Dicerにより成熟されたmicroRNAへcleaveされる。この成熟microRNAは、ほとんど、mRNAの3'未転写領域
と結合し、ターゲットRNAの補完程度により、mRNAの転写の減衰・遮断をすることとなる。

exonic miRNA感知

Pri-miRNA(transcription RNA pol II と III)

pre-miRNA(Drosha、DGCR8)

核膜を通過して細胞形質内へ(Exportin 5)
Dicer

miRNA

translation supression/degradation
 


intronic miRNA感知

Pri-miRNA(RNA pol II と III)

スプライシングで
mRNA+intronへ

Pre-miRNA
↓ 
核膜を通過して細胞形質内で(Exportin 5)
Dicer


miRNA

translation supression/degradation


ALL1(MLL) microRNA: miR191


癌は、oncogene、腫瘍抑制遺伝子、microRNA遺伝子の変化によって生じる。germ-line eventは家族性の癌や遺伝性となって生じることもあるが、通常体細胞イベントである。単位電子変化は悪性腫瘍を生じるほどには稀すぎる現象である。、いくつかの連続した多段階プロセスの存在を示す多くのエビデンスがあり、多くは、oncogene、腫瘍抑制因子、microRNA遺伝子の存在を示唆するものである。

腫瘍は二次・三次遺伝的変化を生じてtransformした細胞からなる細胞遺伝子的に異なるクローンからなる。このheterogeneityは臨床的表現型や治療の反応のばらつきをもたらす。もともとのクローンやサブクローンから離れて腫瘍はprogenitor cancer cellを具有する。化学療法・放射線やほかの治療法の感受性がことなり、治療が困難となる。

CMLは反復性の t(9:22)染色体の転座がみられ、ABL proto-oncogeneBCR遺伝子と融合する。このfusionによりoncogenic ABL fusion蛋白をencodeするようになり、tyrosine kinase活性を促進する。全ての白血病細胞は染色体変化があり、tyrosine kinase 活性を生じるようなfusion proteinを有し、これの抑制により完全寛解をもたらすことができることとなる。再発時は、ABLのmutationが起こり、薬剤抵抗性となるというメカニズム

体細胞遺伝子変化のエビデンス
1)Burkittリンパ腫のoncogene MYC(染色体 8q24の免疫グロブリン遺伝子へのtranslocation
2)マウスの線維芽細胞のtransfection実験:ヒトガン細胞のDNAのin vitroで悪性腫瘍細胞の特徴獲得
3)濾胞性リンパ腫や一部diffuse large B細胞リンパ腫の特徴を有する染色体breakpointのクローニングにて:BCL2oncogeneのjuxtapositionが免疫グロブリンクローンのenhancer elementとなる
4)活性oncogeneのヒトガン細胞へのtransgenic mouseでヒトの腫瘍類似のふるまいがみられる。


apotosisの2つの経路
I)Stress pathway
細胞ダメージ、oncogeneの活性化、growth factor deprivation
BH3

Bcl2
Bax or BaK

CytC

Apaf1

Caspase 9

Caspase 3, 6, 7

細胞死


II)Death receptor pathway
Ligands(FasL、TRAIL、TNF)

Death receptor

FADD

Caspase 8

by internalmedicine | 2008-01-31 08:50 | がん  

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