サッカーワールドカップゲームにおける心臓血管イベント
2008年 01月 31日
ドイツのFIFAワールドカップゲームで、心血管イベント発生と情緒的ストレスの関係を調査したもの
N Engl J Med. Vol. 358(5):475-483 Jan 31 2008
4279名の急性心血管イベント評価
ドイツチームの試合のある日
心臓緊急症頻度は、対照期間中に比べ2.66(95%信頼区間:CI 2.33-3.04)
男性:3.26(95%CI 2.78-3.84)
女性:1.82(95%CI 2.44-2.31)
ドイツチームの試合日の冠動脈イベント患者群の分析
既知冠動脈疾患比率47% vs 対照期間では29%
イベント平均発生は試合開始2時間以内で最も多い
サブ解析では、対照期間にくらべ、ST上昇型心筋梗塞頻度 2.49 (95% CI 1.47 - 4.23)、 ST上昇無し心筋梗塞 2.61 (95% CI, 2.22 - 3.08)、心臓不整脈 3.07 (95% CI, 2.32 - 4.06)
これを見ると試合前からすでにイベントは高いような気がするのだが・・・
一応、考察では1-2時間の潜行時間について記述がある。
この1-2時間を前提に考察している
超過リスクはストレスの多いサッカー試合(他のスポーツイベントでも当然考えられるが・・)で生じ、冠動脈疾患をもつ患者では特に予防的評価が必要である。
介入として可能性があるのは、β遮断剤、スタチンなどの抗炎症剤、アスピリンなどの抗血小板、ストレス介入受容体遮断薬など
そして、ストレス行動療法などの非薬物的な戦略が考慮されるべきである。
by internalmedicine | 2008-01-31 11:25 | 動脈硬化/循環器