ENDORSE研究:入院時深部静脈血栓症予防の実態

Venous thromboembolism risk and prophylaxis in the acute hospital care setting (ENDORSE study): a multinational cross-sectional study
The Lancet 2008; 371:387-394

静脈血栓塞栓(VTE)のリスクのばらつき、世界重の予防処置についての情報はわずかである。
ENDORSE (Epidemiologic International Day for the Evaluation of Patients at Risk for Venous Thromboembolism in the Acute Hospital Care Setting) 研究は、多国横断研究で急性期病院でもVTEの頻度を評価し、リスク状態の患者を決定するためのもの

【方法】40歳以上の内科入院患者と、13歳以上の手術病棟でVTEのリスク評価
2004・ACCPエビデンスコンセンサスガイドラインを用いてVTEリスクを評価し、予防的な推奨される患者がどの程度かを検討
【結果】68183名が参入
30827(45%)が手術で、37356(55%)が内科でカテゴリー化

35329 (51·8%; 95% CI 51·4–52·2; between-country range 35·6–72·6) 名はVTEのリスク有りと判断、外科19842 (64·4%; 63·8–64·9; 44·1–80·2) 、内科 15487 (41·5%; 41·0–42·0; 21·1–71·2)を含む
リスクある外科患者の内、 11 613 (58·5%; 57·8–59·2; 0·2–92·1)、リスクある内科患者の6119 (39·5%; 38·7–40·3; 3·1–70·4) がACCP推奨VTE予防がなされていた。


ACCP VTE予防ガイドライン(Chest. 2004;126:338S-400S.)



6.0.1. うっ血性心不全・重症呼吸器疾患、ベッド上制限、1つ以上のリスク状態の患者(癌、VTE既往、敗血症、急性神経疾患、IBDなど)で入院中の重症患者では、、LDUH予防を推奨(Grade 1A)もしくはLMWHを推奨(Grade 1A)

6.0.2. VTEリスクのある患者、抗血小板禁忌の患者では、GCSやIPSのメカニカルな予防が必要(Grade 1C+).


困ったことに、medical conditionに関してはLDUHの用量・用法指定がない。日本版もそのようになっている。一般的予防的投与法として
APTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)の正常値上限を目標として未分画ヘパリンの投与量を調節して,抗凝固作用の効果をより確実にする方法である。最初に約3,500単位の未分画ヘパリンを皮下注射し,投与4時間後のAPTTが目標値となるように,8時間ごとに未分画ヘパリンを前回投与量± 500単位で皮下注射する。煩雑な方法ではあるが,最高リスクでは単独使用でも効果がある。
とありこれに従うこととなるのだろう。


LDUH = low-dose unfractionated heparin
LMWH = low-molecular-weight heparin
GCS = graduated compression stockings
IPC = intermittent pneumatic compression


ヘパリンNaのみしか日本では予防のため保険適用ない。

相変わらず、フラグミン(dalteparin sodium)はLMWHだが、DIC、体外循環時しか保険適用がない。現時点では、日本のガイドラインでは,保険承認薬剤(すなわち,未分画ヘパリンとワルファリン)を原則的に推奨ということらしい。

by internalmedicine | 2008-02-01 17:59 | 内科全般  

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